TOPICS絵本

前にも一度、文芸社から出版された絵本を紹介したことがあったけど、これもそうです。前と同じくうさぎさんが主人公のおはなしなんですが、絵もストーリーも僕好みだったので紹介してみます。

冬にしか会えないお友だち
[本]冬にしか会えないお友だち/宮本悠輝(amazon)

文芸社 2011.1.15発売 1155円
ISBN:978-4-286-09877-7

独りぼっちで暮らす名前もない茶色い毛の子うさぎが主人公。みんなと一緒に遊びたいと思いながら、遠くから眺めているような子だったんですが、ある日、自分で作った雪うさぎを気に入り、それを友達に見立てて暮らしはじめるんだけど…、というおはなし。

著者プロフィールによると、大分在住の臨床工学技士の方とのことなので、絵を描いたりっていうのを本職にしているのではないんだと思いますが、色鉛筆で描かれた自然の素朴な雰囲気が、楽しいようなちょっと切ないようなおはなしにあってていいなぁって思いましたです。

[本]冬にしか会えないお友だち(出版社の紹介ページ)

TOPICS絵本

気がついたらもう今年ももう終わりです。早いものですね。なにかと慌ただしい年の瀬ですが、ふと立ち止まって一息つけるような、こんな絵本を紹介です。

くまのこのとしこし
[本]くまのこのとしこし/高橋和枝(amazon)

講談社 2010.11.24発売 1575円
ISBN:978-4-06-132447-3

もうすぐ今年が終わって来年がやってくると教えられたくまのこが、来年ってどんなふうにやってくるんだろうと心待ちにしながら年の瀬を過ごすおはなしです。

なにか特別なことが描かれているのではなくて、言ってしまえばこの時期にどこの家庭でも行われていそうなことが描かれているだけなんですが、なんだかすごく懐かしい、不思議な気分が蘇りました。

何十年後かにこの絵本を手に取った子供が、
「なーんだ、昔も今とおんなじことしてたんだね」
なんて言ってくれるような未来になるといいなぁ。

[本]くまのこの としこし(出版社の紹介ページ)
タカハシカズエホームページ(作者のサイト)…現在池袋リブロ本店にて絵本の原画が展示されているそうです。1/17まで。

[本]りすでんわ/高橋和枝(2010.9.29)

TOPICS絵本

買ってから取り上げようと思っていたんだけど、なかなか売ってないのですよ。というわけで先に紹介です。

イカロス君の大航海
[本]イカロス君の大航海/澤田弘崇、宇宙航空研究開発機構(amazon)

日経印刷 2010.12.20発売 360円
ISBN:978-4-904260-72-2

ついにイカロス君の絵本が発売になりました。今年は小惑星探査機「はやぶさ」が世界初の偉業を成し遂げたことで、宇宙開発事業について世間の注目が集まりましたが、「IKAROS」もそうした存在のひとつです。

IKAROSは燃料を搭載せず、太陽光の力で宇宙空間を航行することのできる世界初の”宇宙ヨット”なんですね。実際に想定されているような航行ができるか実証するために作られたわけなんですが、今年5月に探査機「あかつき」などとともに打ち上げられた後、今月までに当初予定されていたミッションはすべて成功し、日本の宇宙開発に多くの収穫をもたらすことになったのでした。

そんなIKAROSの活躍を「イカロス君」というキャラクターを用いることで、子供から大人まで分かりやすく楽しめる内容にまとめたのがこの絵本、ということになるんですが、イカロス君に限らずJAXAのキャラクターを見ていると、本当にすごいなーって思うんですよね。何がすごいんだろうと考えてみたところ、ただキャラクターを作ってみたっていうんじゃなくて、「伝える」ってことにしっかりと主眼が置かれているところがすごいんだと思いました。

昨年、「2位じゃダメなんですか」なんて言葉が物議を醸したことがあったけど、それでもやっぱり、どんなにすごいことをやったとしてもそれを伝えることができなければ、何もやってないように見られてしまうんですよね。それも専門的で高度な分野になればなるほど、正確に伝えることが難しくなってしまいますし。

JAXAのキャラクターって、そこをちゃんと補って伝えることのできる存在になっているんですよね。その最大公約数的なかわいさもそうだし、どうも現場レベルで制作し展開されていますよね。そういうところもすごいなと。

JAXAが積極的にキャラクターを作るようになった経緯について詳しくは知らないんだけど、出発点として、最初から正式な企画として立ち上がったものではなくて、おそらくなにか手弁当的な、現場の思いから生まれたような感じがするんです。単に外注に丸投げして、っていうのとでは伝わり方が全然違ってくると思うんですよね。

今後もイカロス君をはじめとしたキャラクターによって、JAXAの活動が多くの人に伝わって事業の発展に繋がっていければホントにいいなーって思います。

小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」(JAXA)
イカロス君Twitter
IKAROS-blog
イカロス君の宇宙での活躍を物語にしました!(IKAROS専門チャンネル 2010.6.25)…IKAROSの様子を撮影するDCAM1とDCAM2の活躍を物語仕立てにしたものです。かわいいし感動です。
第8回Webクリエーション・アウォードの受賞式が行われました!(IKAROS専門チャンネル 2010.9.30)…Twitterなどでの活躍が認められ、「気になるWeb人で賞」を受賞した際のコメントです。

「はやぶさ」と遊ぼう!(JAXA)…JAXAのキャラクターと言えばやっぱり「はやぶさ君」が有名です。「はやぶさ君の冒険日誌」は本当に感動です。
はやぶさ君を描いて(はやぶさ、地球へ! 2010.5.12)…「はやぶさ君の冒険日誌」の制作について語られています。

絵本「イカロス君の大航海」限定セット(コンセント)…こちらのショップでは絵本にバッチなどが付いた限定セットのほか、グッズも販売中です。

TOPICS絵本

以前「トゥイーティーの創作絵本」を紹介したことがあったんですが、その続編が発売されることになりました。

[本]トゥイーティーとちいさなちょう CD付き絵本/メリッサ・J・スーバー(amazon)
ユーキャン エンタテインメント事業部 2010.10.18発売 1600円
ISBN:978-4901366519

[本]トゥイーティーとまいごのほし CD付き絵本/メリッサ・J・スーバー(amazon)
ユーキャン エンタテインメント事業部 2010.10.18発売 1600円
ISBN:978-4901366526

この絵本は「トゥイーティーとふしぎなとりかごシリーズ」という四季をテーマにしたシリーズで、1年半くらい前に春と夏をテーマにした2冊が発売されていたんですね。ところがその後、発売元のゴマブックスの業務がストップしてしまう出来事があったため、「あー、こりゃ残りの2冊は出ないな…」と思っていたんですが、発売元を変更し、晴れて日の目を見ることになったようです。

絵本の内容ですが、前2作に関してはあまりトゥイーティーっぽくないほんわかファンタジーなおはなしだった印象です。これを新たな一面と取るか、別に他のキャラでもいいんじゃ? と取るかは微妙なところですが、昔からいて今ではマスコット的な存在になっちゃったキャラクターに新しい世界観を与えておはなしを作るという試みに関しては個人的には応援したいです。

ちなみに今回発売される2冊はCD付き絵本となっていて、カントリー娘。の里田まいさんによる朗読とイメージソングが収録されているそうです。里田さんって辻ちゃんみたいにママドルではないし、やや妙なキャスティングのような気もしないでもないですが、実はソロ曲って初らしいので、ファンの方への注目度は高そうですね。
里田さんってなんかこう、いまだに苦労人のイメージがあるんですよね。これからの歌手活動もぜひ頑張ってほしいので、こちらも密かに応援したいと思います。

CD付絵本「トゥイーティーとふしぎなとりかごシリーズ」(出版社の紹介サイト)…「全国TSUTAYA書店・Amazonにてお求めいただけます」との記載があるのでそれ以外の書店には入荷しないのかもしれません。
Tweety&里田まい 夢のコラボレーション絵本発売イベント!Tweetyが渋谷TSUTAYAにやってくる!(ソニー・デジタルエンタテインメント 2010.10.15)…本日17日にトゥイーティー登場イベント、18日には里田さんによる読み聞かせイベントが開催されるそうです。

トゥイーティー DVD BOX(amazon)…宝島社のパブリックドメインBOXシリーズです。

TOPICS絵本

イラストレーターの高橋和枝さんの手掛けた絵本が発売されたので紹介です。これは以前絵本雑誌「MOE」(2009年12月号)に掲載されていたおはなしなんですが、書籍化に際し大幅加筆されています。

りすでんわ
[本]りすでんわ/高橋和枝(amazon)

白泉社 2010.9.17発売 1050円
ISBN:978-4-592-76144-0

「でんわ」という便利なものがあるらしいと聞きつけたりすたちが、自分たちの家にも電話線を引いてみようとするのですが…、というストーリー。「りす」と「でんわ」なんて一見ミスマッチなものにしか思えませんが、意外や意外、綺麗にすとんとはまっています。こういうのをいい絵本っていうんでしょうね。

冒頭の場面でりすたちが集まって会議をしているんですが、これがかわいくてお気に入りのシーンです。こんな会議なら僕もでてみたいんだけどな…。

りすでんわ(MOEから生まれた本)…白泉社のサイト。冒頭の数ページが立ち読みできます。
タカハシカズエホームページ(作者のサイト)

[本]わたしのフモフモさん/高橋和枝(2006.4.20)

TOPICS絵本

かわいいうさぎの女の子が主人公の絵本を紹介です。

ウィルバーのしあわせ
[本]ウィルバーのしあわせ/ウィルバー奈美・文、藤本タクヤ・絵(amazon)

文芸社 2010.8.15発売 1050円
ISBN:978-4-286-08955-3

うさぎのウィルバーはある日寿司職人の人間の男性に一目惚れしてしまいます。普通なら叶わぬはずの恋を成就させるため、ウィルバーは必死に頑張るのですが…、というストーリー。

ページ数は少ないんですが、予想を上回るメルヘンチックな展開に、思わずにやにやしてしまいました(笑)。イラストもかわいくて、ストーリーにぴったりはまってます。もうちょっと長めの物語としても読んでみたい気になりました。

おそらく自費出版的な扱いの書籍なので、かなり規模の大きい書店でないと取り扱いがないかと思われますが、もし見つけた際には手に取ってみてほしい1冊です。

[本]ウィルバーのしあわせ(出版社の紹介ページ)