TOPICSサンリオ,企業

なんと、サンリオがイギリスのMister Men社を買収したことを発表しました。

[本]MR.HAPPY ハッピーくん

Mister Men社は絵本から生まれたキャラクター、「Mr.Men and Little Miss」のライセンス事業を行っている会社です。日本経済新聞の報道によると、取得額は非公表ですが30億円前後とみられるとのことです。

サンリオは少し前に、人気キャラクターを買収することで事業の柱を増やすことを検討をしていると発表していました。

キティに次ぐ柱構築、キャラ買収に最大300億円-サンリオ常務 (1) (Bloomberg 2011.7.13)

この方針は、同社が「ハローキティ」への依存度が高いことや、キャラクターを1から育てるのでは時間が掛かりすぎる上にヒットするかどうかが不確定なことなどから検討されていました。
この話が報じられた際は、買収って言ったって人気キャラを買うにはそれなりの資金が必要になるだろうし、いろいろ問題が多いんじゃないかという見方をされていたと思うんですが、「Mr.Men and Little Miss」というチョイスはなるほどというか、なかなか上手いところを突いてきた感がありますね。
ちなみに記事によると最大300億を投じるとあるので、ひょっとすると第2、第3の買収もあるのかもしれません。

ちなみに「Mr.Men and Little Miss」は国内ではソニー・クリエイティブプロダクツ(SCP)が販売権を持っていて、今年は「Little Miss Cawaii」という日本オリジナルのキャラクターを発表していたりとかなり力を入れて展開しているんですが、今後はどうなるんでしょうね?
サンリオがライセンサーとなってSCPに許諾するという形になるのか、契約を解除してサンリオが自社で展開するようになるのか…。
どちらにしろキャラクターの展開に空白期間ができて、人気が萎んでしまわないかちょっと心配な気もします。

あとついでに要望としては、2008年に絵本が4冊復刊されたんですが、それ以降出てないんですよね。せっかくなので残りも復刊してほしいです。

サンリオ、英国キャラクター会社Mister Men社を買収(ソフトバンク ビジネス+IT 2011.12.6)
サンリオ 英国キャラクター会社Mister Men買収(アニメ!アニメ!ビズ 2011.12.6)
サンリオ、英国キャラクター会社Mister Men社の買収を完了(日経プレスリリース 2011.12.6)
Mr.Men and Little Miss(公式サイト)

アニメ「MR.MENショー」スタート(2010.3.16)

COLUMNサンリオ,企業

10月20日にこのような報道がありました。

ミッフィー生みの親サンリオ提訴 著作権侵害と(47NEWS)

なんと、ミッフィーの著作権管理業務を行うオランダの企業メルシスが、サンリオの「キャシー」というキャラクターがミッフィーを模倣し著作権を侵害しているとして商品の生産停止を求める訴訟を起こしたんだとか。裁判はオランダのアムステルダムで行われていて、判決は11月2日予定とのこと。

感想としては、意外だなぁと思うのと、疑問に思う点がいくつか浮かんだのでちょっと書いてみます。

まず、「キャシー」ってキティちゃんのおともだちに当たる脇役キャラクターなんですが、グッズなんて言われるほど出てる? という疑問。僕もキティちゃんグッズに関して詳しくはないんですが、おともだちってキティちゃんのイラストでたまに見かける程度だと思うんですよね。知名度に関しても熱心なサンリオファンなら知っているでしょうけど、それ以外の人はまず知らないような存在だと思います。

続いて、なぜ今? という点。キャシーって、1970年代には既に存在していたはずなんですが、なぜ今になって問題になったんでしょうね。ひょっとしたら海外では最近になってキティちゃんのおともだちにスポットを当てた展開をしているんでしょうか。

あと、国内でのネットの反応を見ていると、昔サンリオが展開していた「リトルハニー」というミッフィーそっくりなうさぎのキャラクターを持ち出して、元々そういう企業体質だったのでは、という意見が書かれているのをちらほら見かけたんですが、これはちょっとサンリオが気の毒かなと個人的にはしました。だって、時代背景ってあるし…。もし、2010年に新しくあんなパクリキャラを堂々と展開されたら、そりゃあ大問題でしょうけど、40年前と現在ではその辺の倫理観って全然違うと思うので、今の価値観だけで判断してしまうのもどうかと思います。

ただそうは言っても、「キャシー」はもとより、キティちゃんだってミッフィーの影響を色濃く受けた存在だとも思うんですよね。

ミッフィー
(『「ミッフィー展」-50 years with miffy-図録』朝日新聞社(2005) P20-21より)

参考までに1955年、誕生当時のミッフィーのイラストですが、最初は今と全然違う見た目なんですね。それから8年後に出版された絵本ではほぼ今と同じ雰囲気のミッフィーが完成されているんですが、そこに現在に至るまでの試行錯誤や洗練のされ方を感じ取ることができます。

かたやキティちゃんはというと、最初から完成型というか、今と変わらぬ無駄のないデザインで登場しています。
このキティの完成度ってやっぱり、ミッフィーがあってこそだと思うんですよね。ミッフィーとキティちゃんは、直接的に似ているキャラクターではないけれど、線の太さや丸みの付け方、全体のバランスなど、デザイン的な共通点がありますもん。

ただ、すべての創作物は過去の創作物の模倣から始まるわけで、大切なのはそこにどんなオリジナリティがあるかということです。
そんなわけで、「キャシー」のオリジナリティについて、オランダの裁判所がどう判断するのか、そこに注目しながら静かに見守っていきたいと思います。
 

~おまけ1 「ムスティ」について~

今回の件で改めて気になったのが、「ムスティ」の存在。ムスティはベルギー生まれの絵本のキャラクターなんだけど、個人的にはキャシーなんかよりもムスティの方がはるかにミッフィーに似ていると思うんですが、なぜ共存できているんでしょうか。
ムスティの日本版サイトによると誕生は1960年代と書かれているけど、確かミッフィーよりも古いキャラだったような…と思っていたら、英語版WikipediaのMustiの項には1945年って書かれています(何が本当なのやら)。あと2004年に日本のブロガーがムスティとミッフィーとキティの類似性について議論したとも書かれてますが、結論は出たんでしょうか。気になります。
僕個人としては、キティとミッフィーには前述のとおりデザイン的な共通点があるとは思っているけど、キティとムスティの間にはそれがないので類似性は感じないです。
 

~おまけ2 サンリオは既に自粛している?~

[本]SANRIO MEMORIES(2010.8.16)

上記のエントリーでサンリオの50周年記念ブックを2種類買ったことを書きましたが、せっかくなので改めて確かめてみると、な、なんと2冊ともキャシーが紹介されていないんですよ!

キティのおともだち
(『Sanrio 50th Anniversary Official book』サンリオ(2010) P8-9より)

キティのおともだち
(『SANRIO MEMORIES』サンリオ(2010) P16-17)

他のおともだちは紹介されているのに…。公式サイトでも紹介されていないし、ひょっとしてサンリオ的には裁判で結論が出る前からキャシーの存在はなかったことリスト行きになってるの!?
前からこんな扱いだったっけ? と思って振り返ってみると、昨年キティのおともだちについて取り上げたことがあったのを思い出しました。

ハローキティ&ディアダニエル 雛ぬいぐるみ デラックス
ジョーイのガールフレンド(2009.1.21)

これです。思わず画像(Amazonより)も貼り付けちゃいましたが、この「雛ぬいぐるみ」というグッズ、キティのおともだちが揃ってぬいぐるみになっていて珍しい! ということで、”ねずみのジョーイのガールフレンド”という微妙な立ち位置の女の子にスポットを当てた上で紹介したんですよね。
後にこの女の子はジュディという名前だということが判明するんですが、キティのともだちのともだちという立場上、やっぱり扱いも中途半端で公式サイトには相変わらずいないし、50周年記念本でも片方でしか紹介されていないというちょっと不遇な子なんですよね。そんなジュディに気を取られてしまい、まさかもっと不遇な扱いを受けている子が発生しているとは全く気づきませんでした…。

当時のエントリーを見ると、「ねずみの女の子だけが公式サイトで紹介されていない」とあるので、この段階ではキャシーもサイト上で紹介されていたはずなんですよねー。いつの間に削除しちゃったんだか。

「ハローキティ検定」の対策本が登場(2009.7.25)
[本]HELLO KITTY MEMORIES(2009.10.14)

ちなみにその間に発売されている上記2冊の書籍も確認してみると、「ハローキティ検定」ではキャシーについての問題が出題されていて、「HELLO KITTY MEMORIES」ではキャシーの他に、キャシーのおかあさんとおとうさんまで紹介されているのでこの段階ではまだ封印されていなかった様子です(ちなみに親まで紹介されていたのはおともだちの中ではキャシーだけなので、かなり待遇がよいと言えます)。

そんな感じで憶測してみると、昨年~今年の段階でメルシス側はサンリオに何らかの要求をして、サンリオがある程度譲歩したけど決裂し、提訴に踏み切ったという流れなのかな、という気がしてきました。

何にしろ、大人の事情でいなくなっちゃうキャラクターというのは寂しい限りなので、なんとか落としどころを見つけて円満に解決してほしいものです。

TOPICSサンリオ,新キャラ

サンリオから新キャラクター「フランボアルゥルゥ」が発表されました。

フランボアーズ色のくまのぬいぐるみ「フラン」とフランスのパリに住んでいる5歳の女の子「ルゥルゥ」からなるキャラクターです。ルゥルゥが迷子になった街角で出会ったのが、ショーウィンドーの中にいたフランというストーリーです。

大人の女性向けのキャラクターというとこで、黒のドットを基調としたグッズデザインには上品な雰囲気があるものの、同時にどことなく幼さも感じるような、ちょっと不思議な印象があります。若干主張が強い気がするからかな? グッズには他にクレヨンテイストの明るい色を使ったものもありますが、こちらも同印象です。

サンリオ50周年記念のキャラクターでもあるようなので、今後のサインリオの力の入れ方にも注目していきたいと思います。

大人の女性にパリジェンヌ気分をお届けする新キャラクター 「フランボアルゥルゥ」シリーズ発売のお知らせ(サンリオ 2010.10)…グッズは10/14より発売。
フランボアルゥルゥ(公式サイト)…ちなみにフランボアーズというのはラズベリー(木いちご)のことです。

サンリオの新キャラ、「ニョッキ&ペンネ」(2009.10.29)

TOPICSサンリオ,新キャラ

昨日、サンリオから新しいキャラクター、「ニョッキ&ペンネ」が発表されました。2匹の猫のキャラクターで、黒いオス猫がニョッキ、白いメス猫がペンネというそうです。グッズは11月11日から発売予定とのこと。

サンリオの新キャラ発表は、チェリーナチェリーネ以来1年ぶりかな? 猫をモチーフとしたキャラクターというのは特に珍しくはないですが、今回はイタリアンレストランのシェフをしている猫好きのご主人に飼われているペットの猫ということで、擬人化していないのがちょっとした特徴のようです。
相変わらずかわいらしくはありますが、久々の新キャラにしてはちょっと地味な印象もしますね。そろそろ派手目のキャラもほしい気もしますが、どうでしょうね。

「ニョッキ&ペンネ」シリーズ発売のお知らせ(サンリオ 2009.10.28)
ニョッキ&ペンネ(公式サイト)…10/30オープン予定。

サンリオの新キャラ、「チェリーナチェリーネ」(2008.6.12)

TOPICSBOOK,サンリオ

先月、ハローキティ35周年記念事業の一環として、「ハローキティ検定」なるものが実施されると発表されたのですが、それに先駆けて検定対策本が登場します。


[本]ハローキティ検定(amazon)

サンリオ 2009.7.29発売 1050円
ISBN:978-4-387-09056-4

この本にはキティに関する知識が300問収録されているそうです。1回目の検定が11/15にサンリオピューロランドにて開催されるとのことなので、それまでの3ヶ月半はこの本で勉強すればいいってわけですね。

検定の実施に先駆けて、特設サイト上で実際の検定に先駆けて模擬的な試験を受けることができるサイトが公開されています(→ハローキティ検定)。ということで僕もチャレンジしてみたんですが、初級ですら不合格という散々な結果になっちゃいました。やはり僕レベルが合格を目指すのならこの本は必須のようです。

[本]ハローキティ検定(出版社の紹介ページ)
「キティ」ファンの知識問う=11月に初の検定-サンリオ(時事ドットコム 2009.6.17)

キティちゃんが鼠先輩の曲にあわせて激しく頭を振るCM(2009.3.1)

COLUMNCM,サンリオ

今売ってる「TV Bros.」2/21号の投稿ページ(ピピピクラブ)を見ていたら、キティちゃんが鼠先輩の曲にあわせて激しく頭を振るCMが関西圏で放送されているという投稿が掲載されていたので、そのCMを作ったとされている車買取専門店ユーポスのサイトで確認してみたところ、本当に文字通りの光景が繰り広げられていて、これはサイトで取り上げざるを得ない! と思いこうしたエントリーをUPした次第です。

鼠先輩の「六本木~GIROPPON~」という、今いちばんみんなが忘れかけようとしている選曲にあわせて狂ったように頭を振るキティちゃん…。ハリウッドセレブがグッズを買い求めるなど、今や日本のポップカルチャーの象徴とも言える存在にまでなったキティちゃんが、ローカルCMに出演して奇行とも取れる行動を披露するとは。一体何がキティちゃんをそこまで駆り立てたのか!? 凡人の僕にはさっぱり分かりませんが、一言だけ言えるとしたらこんなことできるファンシーキャラクターはキティちゃんしかいないと言うことです。キティちゃんの半端ない強さを見せつけられた気がしました。

ぜひ全国、いや世界で放送してもらいたい作品です。

ユーポス(トップページ)
ハローキティ(公式サイト)

ジョーイのガールフレンド(2009.1.21)