僕の好きなキャラクター絵本

COLUMNキャラ絵本

そもそも「キャラクター絵本」という存在がジャンルとして確立されているのかどうか、その辺のことはよく分かりませんが、僕の中では「絵本のために作ったわけじゃないキャラクターが活躍する絵本」みたいなニュアンスで使っています。

このサイトではそんなキャラクター絵本のことをわりと見つけ次第片っ端から紹介しているので、いつかその中でも特に好きな作品を並べて紹介してみたいと思っていたのでした。

てなことでやっとこさ僕の好きなキャラクター絵本10作品をランキング形式で紹介してみようと思うんですが、これが困ったことにどう絞っても12冊になっちゃっうんですね。まあ、それもいいかということで12位からにしています。

これから紹介する絵本は、こういうサイトをやっていなかったら出会わなかっただろう作品ばかりだと思うし、僕にとっては本当に正真正銘の宝物たちです。それではどうぞ。

※画像のリンク先はAmazonです(1位のみセブンネットショッピング)。
 

ドーナッツ! マイボーゾウにのる
12位 ドーナッツ! マイボーゾウにのる/100%ORANGE(2002 PARCO出版)
「ドーナッツ!」はニフティが運営していたWebサービス「デリポップ」のキャラクターで、この本はサイト上に連載されていた作品をまとめたものです。そういった連載形態のせいなのかもしれないんですが、”かわいいのかけらたち”とでも呼称したくなるような、断片的なイメージの積み重ねで作品ができていて、独特のグルーブ感が生み出されているんですね。この溢れんばかりのイマジネーションこそが100%ORANGEが持っているいちばんの魅力であり、武器だと思います。→当時の感想

イモムシクン カラフル
11位 イモムシクン カラフル/かいまみこ(2007 コナミデジタルエンタテインメント)
ポップな色遣いとポエミーな文章で綴られたイモムシクンと葉っぱとのおはなしです。自分に自信のなかったイモムシクンがカエリンや葉っぱを通して、ちょっと変わっていくというシンプルなおはなしです。妙にナイーブな世界観とカエリンの不思議な存在感に惹かれました。→当時の感想

シナモンとまいごのこいぬ
10位 シナモンとまいごのこいぬ/マルク・ブタヴァン、せきちさと(2004 小学館)
これはサンリオの人気キャラクター、「シナモロール」のシナモンをフランスのイラストレーター、マルク・ブタヴァンの手によって絵本化したというちょっと実験的にも見える作品です。個性的なタッチのイラストなんですが、表紙を見てもお分かりのとおり、シナモンがものすごくかわいいんですよ。パリを舞台にしたストーリーも魅力に溢れています。
このシリーズはこれまでに3作品リリースされていますが、正直もっと続けてほしかったです。→当時の感想

こげぱん パンにもいろいろあるらしい…。
9位 こげぱん パンにもいろいろあるらしい…。/たかはしみき(2000 ソニー・マガジンズ)
やさぐれキャラ、「こげぱん」の1作目です。この絵本はその後のサンエックスキャラクターの方向性を決めたエポックメイキング的な作品と言ってもいいんじゃないでしょうか。もちろんこげぱんの前には「たれぱんだ」もいますが、キャラクターが持つ雰囲気への影響はこげぱんの方がよりダイレクトな気がします。
牛乳飲んで酔っ払うとか、こげぱんらしさ溢れる特徴の数々はこのとき既に完成されています。

ゲンコとひょう太
8位 ゲンコとひょう太/スプーキーグラフィック(2011 メディアファクトリー)
今年読んだキャラクター絵本の中ではダントツで面白かったです。黒猫のゲンコと白猫ひょう太、キャラクター単体で見るとやや地味な印象もあるかもしれないけど、それぞれにいろんなものを抱えていたりして、切なかったり、楽しかったり、いろいろあるんですよね。そんな中でひょう太の無垢な笑顔にほっとさせられます。ストーリーがしっかりしているのでアニメーションにしても絶対面白いだろうな~。→当時の感想

たれゆくままに
7位 たれゆくままに/末政ひかる(2001 小学館)
「たれぱんだ」の3作目の絵本です。この作品が発売された2001年は、もう割とブームは終息していた頃で、この本に関しても「あ、まだ出るんだ」なんて思いながら、何気なく手に取った記憶があります。
リアルなタッチで描き込まれた日常風景の中にぽつんと佇むたれぱんだの存在感が、キャラクターの持っている世界観を見事に表現しているんですね。作者の末政さんがたれぱんだに込めた想いがひしひしと伝わってきて、ページをめくるたびに引き込まれました。

春田花花幼稚園 マクダルとマクマグ
6位 春田花花幼稚園 マクダルとマクマグ/ブライアン・ツェー、アリス・マク(2005 朝日新聞社)
どんだけ好きなんだと言われそうですが、先日の僕の好きなアニメーション映画に続いてのランクインです。でもこの絵本は映画とはまったく全然違ったよさがあるんですよ。
春田花花幼稚園 マクダルとマクマグのヒトコマ
これは冒頭に掲載されている4コマ漫画なんですが、これだけ見ただけでもマクダルに対して特別なシンパシーを感じてしまいます。本編のおはなしで特に好きなのは「この足は君の?」という作品。特別でもなんでもない、いたってふつうの愛に溢れた物語が描かれています。→当時の感想

ワタシとまめゴマ日記
5位 ワタシとまめゴマ日記/ヨネムラマユミ(2005 主婦と生活社)
この作品についてはこれまで何度も書いた記憶があるので今更ですが、やっぱり最初に読んだときは衝撃的でした。特に巻末に掲載されている「このお話は、すべてフィクションです。また、まめゴマも実際に存在する生き物ではありません。」という但し書きを見たときにはぞわっとしましたもん。「あっ、いないんだ…」って。ドラマなんかでもお決まりの文言ですが、ここまでバシッと決まってる作品はなかなかないと思います。→当時の感想

アンラッキーくん きみのそばにいるよ
4位 アンラッキーくん きみのそばにいるよ/くどうのぞみ(2007 PHP研究所)
アンラッキーくんもすごく大好きなキャラクターなんですよね~。元々はただの飼い猫だったのに、いろんな事情から、人にアンラッキーを運ぶ仕事をやらなくちゃならなくなったアンラッキーくん。不遇の運命を背負いながらも健気に頑張っているところに胸が締め付けられます。もう続編が出ないっぽいのが残念です。→当時の感想

みかんぼうや キラキラ毎日
3位 みかんぼうや キラキラ毎日/コンドウアキ(2003 ソニー・マガジンズ)
これも大好きなキャラクター、「みかんぼうや」の3作目です。1作目とどっちにしようかと迷ったんですが、この3作目には特に好きなエピソードがあるんですよね。

みかんぼうやの1シーン
これこれ、これです。みかんぼうやとスダチちゃん、ユズちゃんとで仲良く暮らしている3人ですが、実はスダチちゃんとユズちゃんはそんなに仲がいいわけではなくて、ある日、2人っきりになってしまい気まずい空気に! こんな複雑な人間(?)関係をファンシーキャラクターを使って描ききってしまったコンドウさんのセンスがやっぱり好きなのです。→当時の感想

Moley
2位 Moley/U-suke(2007 ワニブックス)
台詞のない漫画形式の作品なんですが、モーリーは人間誰もが持っている弱さや身勝手さを凝縮したようなキャラクターなんですね。見る人が見れば、「ただのヤな奴じゃん」で終わるのかもしれないけど、決してそれだけでは終わらない感情を呼び起こさせてくれるんですね。誰もが自分の心の中にあるモーリーの存在に気づくことができたなら、きっともっと住みやすい世界になるんじゃないかなと思います。
本には「1」とナンバリングされていますが、2巻も出る予定があるのかな。待ってます。→当時の感想 

アランジアワー icon
1位 アランジアワー/アランジアロンゾ(1998 主婦と生活社)
今改めて読んでみても、なんでいきなりこんなに完成度が高いの? と、不思議に思ってしまいます。最近はグッズ制作がメインになって、本に関しては寡作になっちゃったアランジアロンゾですが、気が向いたらまたアランジアワーの仲間たちが登場する本を描いてほしいです。

以上です。あの作品が入ってないじゃないかと怒らないでくださいね。あくまで個人的なものですので…。ともかくこうやってまとめることができてよかったです。ちょっとほっとしましたです。

Posted by CHARA PIT