あっという間に
■久しぶりにトップページの絵を更新しました(過去の絵ページもUP)。絵を描くこと自体が前回(1年半前)ぶりだったのでどうなるんだろ…と思いましたが、相変わらずな感じのができました。
■さて、2013年ももうすぐおしまいになってしまいました。今年を振り返ってみると、やっぱり空前のゆるキャラブームの話題になっちゃいますね。特にくまモン、ふなっしーの2人はキャラクターの世界を飛び越えて、今年の日本を象徴する存在になったと言っても過言ではないくらいの活躍ぶりでした。
ふなっしーを最初に認識したのは世間の多くの人と同じタイミング、ゆるキャラがたくさん出ているCMに非公式なキャラが紛れてるって話題になってたときでした。その当時の僕はかなりネガティブ寄りの印象で、「あー、ゆるキャラの世界にも”終わりのはじまり”が来たのかなぁ」なんて思ったものでした。だって、ここまで露骨にお約束を破ることを売りに注目を集めるような存在が出てきちゃったら、ねぇ。
でも、ふなっしーはそんな僕の心配をよそにあっという間に世間に受け入れられ、トップスターになっちゃったのでした。そんなふなっしーをテレビで見ていると、まず気がつくのが尋常じゃないサービス精神。絶えずトリッキーな動きで見てて飽きないんですね。更にタレントとしての受け答えが並の芸人なんかよりよっぽどしっかりしていて、なんなんだこれはって思っているうちに気がついたら僕も好きになっちゃっていたのでした。本当にすごいよ、ふなっしー。
そしてくまモン。まあくまモンは前から人気者でしたが、更に認知度を拡大させましたよね。そしてなんと言っても10月に天皇皇后両陛下の御前でくまモン体操を踊るという偉業(!?)を成し遂げたことが印象深いです。
東京五輪開催決定の瞬間などと並んで、2013年を象徴する出来事と言ってもいいのではと思います。
そんな行き着くところまで来た感のあるゆるキャラブームですが、来年はどうなるんでしょうね。仮にブーム的な現象が落ち着いたとして、その後の状況ってどんな感じになるんでしょうか。
よく一発屋芸人なんて呼ばれてる人が、すっかりテレビで見なくなってしまってから、地方の営業で食いつないでいるなんて後日談をたまに出たテレビで語っていたりしますが、ゆるキャラの場合は芸人と違って主戦場は中央のメディアではなくまさに地方にあるわけなんだから、そう考えると今まで異常だったのが元に戻るだけで何も困ることはないとも言えるのかもしれません。ただ、第2のくまモンを目指すものの中央のメディア露出を当てにして無駄に税金使って批判殺到みたいな、残念なケースもひょっとしたら出てくるかもしれませんね。
あとは、くまモンもそうだけど、ゆるキャラって年々洗練されていってるでしょ。一方でオカザえもんみたいなのもいるからいいんだけど、あんまり洗練されたキャラばかりが前に出るのもつまらない感じがしますよね。存在が世間に認知され、社会に組み込まれてしまったために、自由さを失いつつあるというか。元々注目されるために活動しているんだからそれ自体は悪いことでも何でもないんですが、一方で費用対効果がどうのとか今までスルーされてきたようなこともどんどん言われるようになっちゃうわけで、そういう状況の中でゆるキャラたちが自分たちのアイデンティティでもある「ゆるさ」をどう発展させていくのかも気になっています。
そんな感じで1年を振り返るとゆるキャラの話ばっかりになっちゃいましたが、それ以外のキャラクターの話題ってなんかありましたっけ。書きたいんだけど思い浮かばないのでやめときます(笑)。
■あとはなんだろうなー。今年はなんかメディアでえらい里田まいさんが持ち上げられていましたね。実際にすごい人なんだけど、ちょっと前まで「おバカ」扱いだったのに手のひら返しに笑いました。
以前、里田さんによる朗読とイメージソングが収録されたCDがついてくるトゥイーティーの絵本を紹介したときに、里田さんのことを苦労しているので頑張ってほしいみたいなことを書いていたんですが、その翌月に交際報道があったんですよね。僕なんかに言われなくても頑張ってるわな。そりゃそうか、なんて思った記憶があります。でも本当にすごい人だと思っているので、これからも密かに応援したいと思います。
■最後に1つ、今年のうちに触れておきたいことがあって、2月にゲームクリエイターの飯野賢治さんが42歳という若さでお亡くなりになったことが言葉では言い表せられないくらいショックでした。飯野さんの生き様、好きだったんですよね。
先日、パソコンの中のファイルを整理していたら、飯野さんがWeb上で書いていたある日の日記の文章が出てきました。大好きな文章だったのでローカルに保存していたのでした(日付を見るに13年前、飯野さんが30歳のときの文ですね)。今はWebには存在しないみたいなので、ちょっとズルいけど全文を引用というか転載するかたちで2013年を締めたいと思います。それでは、また来年です。
2000年11月15日(水)
baloonman
いつの間にか11月も半ばになった。
なんか「ノストラダムスは…」とか言ってた時から
もう1年が経つんでしょ。
なんか、早ぃなぁ。
もう21世紀かい。
2001年宇宙の旅のようにはならんかったなぁ。
シャトルで地球のちょいと外(宇宙的にみたら
ほぼ地球範囲内)に行って帰ってくることばかり
だもんなあ。
月に人間の足跡が付いたりと、宇宙に人間の
進出が激しく進んでいたのも
もう米ソ宇宙パワー&見栄合戦の頃。
シャトルじゃ、月へも火星へも行けまへん。
まず燃料的に。
そういえば、今月の25日、スペースシャトルの
アストロノーツだった方と
同志社でディスカッションがあったっけ。
キャサリンソーントンさんだよな、確か。
あと、僕の好きな東大松井さんと。
後は誰だったか忘れた。
宇宙に人類、また地球上の生物が進出した時
DNAのスイッチon的なことが起こるのか?
今の僕らの体は地球上の1Gという状況的条件の
上で出来た(進化してきたor適応してきた)
ものだから、それが宇宙に行ってしまうと
この身体の形の意味を失うわけじゃない。
宇宙慣れした生物(がいるかどうかは別にして)
から見たら僕らは
「意味ねぇ~!」
って形しているんだもんね。
四本足とか、二本足とか、口が上とか
真空じゃ、耳の意味はどうなるんだ?
つうか、上とか下とかないぞ。
本人は止まっていると意識していても
時速1000km/hで近付いてくるヤツから見たら
時速1000km/hで走っている危ねぇヤツになる。
太陽の方に顔を向ける、向日葵のような
なんか、そんなうまい作戦も必要そうだ。
代替わりの早い生物を宇宙に持っていって
ドンドコ世代交代をさせたら、驚くような
生命のマジックというか、ロジックが見れるのか?
「やっぱDNAってすげぇのぉ」と
「殆どがジャンク……では、なかったのぉ」と
いろいろと感心して
ちょっとは、謙虚になったりもするのか?
人間は。
しないのか、それが人間か?
極端に「闇」を怖がり
きちんと「死」を捉える生物つうだけか、やっぱ。
そんだけか、どうしても。
あと、そういったことと、宇宙に行った
アストロノーツ達が「神憑かり」になる
っていう事実と
うまく、まとめて議論していこう。
って、そんな内容でいいんだっけ?
つうか、テーマ関係なく、俺はそれでいくぞぉ!!
ジーンサーナンの
「月面に立った男-the last man on the moon-」を
読んで臨むぞ。
わけわかんなくなっていくから、この日だけは
量子力学的な、観念的な方向に持っていかないようにしよう。
って、楽しみだ、こりゃ。
前日つうか、当日の朝までオールナイトで
Underworldだってのが、ちょいと不安だが。
いいねぇ
Under the worldと
Above the earthが連続だ。
下も上もどっちもいいぞぉ(適当)。
で、本題(やっとかい)。
この「11月の中旬」となると
毎年、ちょっと心が痛くなる。
ある男のことでだ。
宇宙とまでは言わないが
単身、アメリカ大陸まで
しかも、風船と桧のゴンドラという
誰が聞いても「無茶」っていうか
ほぼ「ギャグ」としか受け止めてもらえない
プランで
本当に飛び立ってしまった男
そう
「風船おじさん」のことだ。
そして、7年が経った今、彼はまだ
「着いた」とも「帰った」とも
何も言ってこない。
そして、誰も「どこかで発見した」とは言わない。
永遠にファンタジーの世界で
僕の頭の中で
ガンダムの最終回の
アムロが乗り捨てたコアファイターのごとく
ずぅ~っと飛び続けてくのだろう。
イマジネーションの宇宙を、これからも。
そのころと言えば、僕は精神的に絶不調だった。
一生に一度であろう、もしかしたら精神病のような
ものの状態だったかもしれない。
やる気が出なかった。
この世の中に「余裕」というか「面白み」を
感じなくなっていた。
息苦しかった。
バブル崩壊後の時代の空気も重かった。
どこにも、世の中にファンタジーはなかった。
ウルトラ警備隊のシューティングの企画してた
頃だったなぁ。
ボムをおすと、セブンが「とりゃ!」。
なんか、合わない。
そんな時に、おじさんは夢のような企画と共に
ブラウン管から僕の前に現れた。
町の話題だった。
デビ婦人とか、そういうレベルでだが。
みんなが笑っていた。
仮面ノリダーみたいなもんだ、当時では。
それは、もうちょっと前か。
とにかく、僕はその存在に泣いた。
嬉しかった。安心した。
固まった世の中に吹いた元気な風だった。
ファンタジーだった。
メルヘンだった。
なんだか、救われた。
でも、すごく心配だった。
そして、11月23日午後4時30分。
ついに、おじさんは飛び立っていった。
そのニュースは、家で聞いた。
小学校の時の合唱の自由曲
「気球に乗ってどこまでも」が頭に流れた。
状況は「危急に乗って」だったけど。
おじさんは僕の中でアーティストだった。
あの時代感に、ちょうどぴったりな
テーマである「ファンタジー&メルヘン」を
表現したアーティストだった。
体言したから、大変なことになったのだけど。
「奇人・変人」の部類で終わり
あまり語られていないので、ここで書いておくが
アメリカを目指した理由も
「なんとなくアメリカン」ではない。
危機的状況にあったネバダの鳴き砂保護のためだった。
だから、当初の出発地もその現象が見られる
島根県からだった。
でも、無茶だった。
彼のアメリカ行きのプランは
ジェット気流に乗るさらにその上の
高度1万メートルへの上昇にかかっていたからだ。
そこは、成層圏だ。
無理っつうか、呼吸困難だ。
でも、彼は「イケる!」と思っていた。
メルヘンだからだ。
本当のCojiCojiだ。
テーマは危機的な環境問題への保護の訴えと
なかなかなものだったが
なぜか、その具体的な手段になるとメルヘンだった。
保護したい環境も、彼のメルヘン世界で大事な
ものだった、ということなのかもしれない。
まず、そのネーミング元にもなった
とにかくインパクトの強い
「風船」という手段は
おじさんが高校生の頃見た
無声フランス映画「赤い風船」からきている。
映画マニアである僕の親父の好きな映画ベスト5に
入るだろうこの映画は、僕もベスト20に入ると思う。
昔の日本の都市のイメージで「夢」を象徴する
デパートの上に上がるアドバルーン製作会社製の
風船ってとこが、彼の哲学だ。
ゴンドラだって、桧だった。
江戸川の桶職人が作った桧のゴンドラだ。
アドバルーンに浴槽を付けたような
昭和日本的な乗り物だ。
シャトルにはほど遠いが、夢は乗せている。
普通、重量の調整(これが冒険のキィになる)に
「重石」を使うのだが、彼はなんと
「沖縄焼酎「どなん」」をビニール袋に詰めた。
ただの飲みたがりの合理性だ。
っていうか、命がかかっているからすごい。
ここにも夢がある。
腰の強い焼酎でさぞかし夢心地だったろう。
そして、彼はIT派だった。
普通、無線機を持っていくところを
携帯電話で出かけていった。
当たり前だが、アメリカへのローミングサービスなど
やっていない。
つうか、今日でさえ、NTT Docomoのバカ機械は
できていない。
その携帯電話がある意味命取りになってしまった。
高度1万メートルではIT革命が進んでいなかった。
彼は何処を冒険していたのだろう。
何が彼を冒険させたのだろう。
それは、彼が「生きていく」ためのものだった
のではないだろうか。
あのつまらない息苦しい世の中で。
それは、自分の哲学のアドベンチャーだった。
そんなことがうまくいかないようじゃ
あの世の中では生きていけなかったのではないか。
僕も精神的にとても辛い時期だったので
なんだか、その思想と行動に頷けた。
というか、いろいろともらってしまった。
今日現在、彼の声は聞こえてこない。
だけど、僕の頭の宇宙を笑顔で飛んでいる。
風船おじさん。
借金に対する生命保険とかいう
くだらない報道が当時「嫌」と言う程なされていた。
本当に「嫌」だった。
ファック!
そんなヤツはどっかへいなくなれ!
つまんない世の中に勝手にもっていくな。
今日も彼の奥さんは生存を信じて
左手の薬指に結婚指輪をはめているという。
だから、死亡届は出ておらず
もちろん、生命保険など請求すらしていない。
奥さんの宇宙には永遠に彼が勇気と希望を
もたらし続けながら飛び続けているだろう。
今から7年前、おじさんは飛び立っていった。
僕は大きなものをもらった。
その約3ケ月後、やっていた開発会社をたたみ
独立宣言しWARPを作った。
WARPの一番最初の3DOソフトの
表紙をめくったところには
「風船おじさんに捧げる」と1ページ使って
大きく書かれている。
それから7年。
僕はまた、ちょっと疲れているのかもしれない。
だから、思い出した。
僕の中のアストロノーツを。
そして、今月末にはリアルなアストロノーツと
ディスカッションだ。
僕はアストロノーツである彼女に
「風船おじさん」の話をしてみようと思う。
何かのシンクロを感じるからだ。
だって、彼の夢と希望が詰まっっていた
アドバルーン製作会社産のその塩化ビニール風船の
中に、本当に詰まっていた大量のヘリウムガスは
そのディスカッション会場である
同志社大学から買ったものだからだ。
誰か、同志社大学にメルヘンとファンタジーに対する
大きな理解者がいるのだろうか?
さて、もう16日、風船の日まで後1週間。
風船おじさんは
今日はどこを飛んでいるのだろう?
みなさんの頭の中には誰か、何かが飛んでいますか?
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