Xbox360にも本体を買ってでも遊んでみたいと思わせてくれる作品が現れました。Xbox Liveアーケードで配信がはじまった「FEZ」というタイトルです。
[Xbox360]FEZ(フェズ)
日本マイクロソフト 2012.4.13発売 800マイクロソフトポイント
ドット絵で描かれた世界を舞台にしたアクションパズルゲームなんですが、一見2Dっぽい見た目なのにマップが3Dで構成されていて、視点をくるくると変更することができるようになっています。それなのに足場などは平面的に見たままで判定されるため、3D空間上は全然離れた場所に足場があっても、ある視点から見るとくっついて見える場合、ゲーム上でも地続きで歩いて行くことができるんですね。
そうやって視点変更を駆使して新たなルートを発見しながら散らばったキューブを集めるのがゲームの目的です。
ただこんな文章だけでは誰にも理解してもらえないと思うので公式トレイラーを2つほど貼り付けておきます。ぺたぺたっと。
FEZ LAUNCH TRAILER from POLYTRON on Vimeo.
FEZ LONG TRAILER from POLYTRON on Vimeo.
この、視点を操作してだまし絵的に道を作っていくというシステムに関してはかつてPSPで発売された「無限回廊」という作品で使われていたのとよく似たギミックなんですが、そこにドット絵で描かれた特徴的なビジュアルを組み合わせることで、今までにないような世界観が表現されていて、見事だなぁと感動しました。
そして特徴といえばゴメズという名前の主人公キャラ。海外のゲームとは思えないような日本的かわいさが溢れる見た目になっていて、ゲームのなんとも言えない雰囲気を作るのに一役買っています。動きも細かく作られているのがよいです。このキャラクターデザインは日本のインディーズゲーム「洞窟物語」あたりの影響なんでしょうかね~。
ところでこのゲームの作者の方、少し前に開かれたゲームのイベントで「最近の日本のゲームはどう?」と聞かれて「クズ(Suck)」とコメントし、国内外で物議を醸しちゃったそうですね。この件は既にいろんな人がその発言の真意について解説しているので今更蒸し返さなくてもいいんですが、やっぱり日本のゲームに対して特別の感情がなければこういう発言はしなかったと思うんですよね。本当に何にもなければ「興味ない」って答えると思うので。
本来なら実際に作品が日本でも広く遊ばれるようになれば、妙な断絶も自然と埋まっていくんだと思うんですが、日本ではヘビーユーザーにしか普及していないXbox360専用ということでそれも叶わなそうなのが少し残念です。
なぜこういった作品が、PS3やWiiでも3DSやVitaでもなく(更に言えばiOSやAndroidでもなく)、Xbox Liveアーケードで発売されるのかという点については、任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメントといった日本のプラットフォームホルダーにもちゃんと考えてみてほしいと思うのでした。
→Polytron Corporation…カナダにある開発元のサイト。ちなみにカバーアートは同じくカナダの漫画家、ブライアン・リー・オマリーによるもの。日本でも「スコット・ピルグリム」という作品の作者として知られています。