キャラクターで振り返る2011年(後編)
はい、「キャラクターで振り返る2011年」の後編です。こちらでは例によってちょっとした騒動になった話題を中心に集めています。それではどうぞ(前編はこちら)。
●サンリオ、ミッフィーと和解(6/7)
キティちゃんの友達の「キャシー」というキャラが「ミッフィー」に似ているということで、2010年に勃発したこの騒動。お互い主張を譲らず裁判という形で決着を付ける流れになっていましたが、3月に発生した東日本大震災を受け、両社が裁判に掛ける費用を義援金として寄付することに合意し、和解する運びになったのでした。
もし裁判が長引いていたらどんな結論が出たとしても、後々禍根を残すことになりかねなかっただけに、早期に解決できて本当によかったと思える一件でした。
→メルシス社(オランダ)と株式会社サンリオの係争和解合意について(サンリオ 2011.6.7)
●リラックマのパチスロが登場(2/18)
サンエックスを代表する人気キャラクターの「リラックマ」がなんとパチスロになるということで、ファンを中心に驚きの声が上がりました。更にこの件は、一般に公表されるまで作者にも知らされていなかったということで、余計に物議を醸してしまうという事態になってしまいました。
リラックマは元々大人の女性をメインターゲットにしたキャラクターなので、サンエックス的にはパチスロもありだと思ったのかもしれないけど、やっぱりもうちょっと考えてほしかった気がします。
◇リラックマのパチスロが登場(2011.2.19)
→リラックマファンの皆様へご報告申し上げます。(akibako 2011.2.18)
→このたびの件につきまして(akibako 2011.2.23)
→リラックマのハネスロができました。(リラックマごゆるりブログ 2011.5.9)…サンエックスによる告知。
●まんべくん大炎上(8/14)
長万部町のキャラクターのまんべくんが、キモカワイイ見た目に加えてTwitter上での公式キャラとは思えぬ発言の数々が受け、大ブレイク。東京で開催されたイベントでは30分でチケットが売り切れるなどの加熱ぶりを見せましたが、Twitter上での戦争に関する発言と、その後の対応に関して批判が集まり、全国区のニュース番組でも取り上げられるほどの騒動に発展してしまいました。
その後、まんべくんは活動を自粛しましたが、11月に活動再開を発表、年明けにはTwitterも再開しています。
この騒動についてはいろいろな視点から考えさせられることがありましたが、責任の所在が明確に求められるタイプのメッセージを発したいなら、責任のある人以外に迷惑の掛からない場所でやらないといけないんだなと、改めて思った次第です。
→ウザかわいい! 長万部のキャラ「まんべくん」がつぶやきすぎな件(ねとらぼ 2011.1.31)
→キモイのに男前 Twitter時代の“マジレス型ゆるキャラ”「まんべくん」にファン熱狂(ねとらぼ 2011.4.8)…この2つの記事を書いた岡田有花さんが騒動後に発した「わたしにとってのTwitterがおわった、のかもしれない。」というつぶやきが印象的でした。
→まんべくん『どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまり』→『炎上の後のペプシネックスは格別!』(Togetter 2011.8.14)
→まんべくんツイッター中止 戦争巡る発言に批判 北海道(朝日新聞 2011.8.18)
●まだある! Twitterで話題になったキャラたち
まんべくんほどでもなかったものの、Twitter上には他にも話題になったり物議を醸したキャラクターがいました。ということでいくつか紹介してみます。
1つはニュースサイトの47NEWSが運営していた「てくにゃん」。キャラクターがニュースを紹介するアカウントだったようですが、「死刑は世界に誇れる極刑ニャーッ!」といった感じで個人的見解も同時につぶやいたために大炎上。閉鎖するはめに。過ちとしてはまんべくんと同種ですね。
もう1つは、震災後に登場した「もんじゅ君」というアカウント。原子力施設の非公式キャラクターを演じながら、原子力行政の問題点を指摘するという皮肉の効いたつぶやきに注目が集まりました。
→不適切な書き込みで閉鎖 47NEWSのツイッター(47NEWS 2011.7.23)…ちなみに書き込みをしたのは編集作業を委託している会社の契約社員だったとのこと。
→え?と思った、47news公式キャラクターてくにゃんのツイート(Togetter 2011.7.22)
→もんじゅ君(Twitter)…僕はフォローしていないので、どんな意見が展開されているのか詳しくは知りません。
●阿久根市壁画騒動
阿久根市の公共施設や店舗のシャッターなどに独特なタッチのイラストが描かれまくっていることがネット上で指摘され、波紋を呼びました。これは、「ブログ市長」と呼ばれていた竹原信一市長(当時)の発案により行われていた町おこし事業だったんですが、そのイラストに描かれているものが市にまったく縁のないものだったり、人気アニメのキャラクターなどが無断で描かれていたりしたため問題化。市長の”独裁政治”の象徴といったニュアンスで報道されるようになりました。
最終的には市長選により新しい市長が選ばれたことと、新市長と画家が協議し、一部のキャラクターが描かれていた絵については描き直される運びになったことで沈静化しました。
→阿久根市実は壁画の街 観光活性化策に異論も(J-CASTニュース 2011.1.7)
→ピカチュウ→東シナ海風景に 阿久根の壁画、画家が修正(朝日新聞 2011.1.30)
●ピカチュウそっくり!? エコハちゃんきぐるみ
宇部市の「エコハちゃん」というキャラクターのきぐるみが「ポケットモンスター」のピカチュウに似すぎているのではないかとネット上で話題になりました。
エコハちゃんはイラストでは全く似ていないんですが、きぐるみ化した段階でやけに似てしまった模様。そういった経緯もあり、当初は似せて作ったものではないと説明していた市側ですが、ポケモンのライセンスを管理する会社と協議した結果、今後のきぐるみの使用は差し控えるという形で落ち着きました。
→着ぐるみ化で…「エコハちゃん」ピカチュウ激似(Sponichi Annex 2011.8.4)…エコハちゃんの考案者がピカチュウを「知らなかった」と説明したことに対して突っ込みを入れている方も見かけましたが、高齢の方のようだしなくはないと思います。むしろ確実に知っていたはずの着ぐるみ製作業者の方はなんとも思わなかったのかなぁと。
→宇部市環境イメージキャラクター「エコハちゃん」の着ぐるみに関する今後の対応につきまして(ポケットモンスターオフィシャルサイト 2011.8.12)
→宇部のエコフェアに「ピカチュウ」来場-「エコハちゃん騒動」も和解(山口宇部経済新聞 2011.10.28)
●不名誉なあだ名がつけられた「わんだほ」(8/4)
昨年、生放送中に「怪しいお米 セシウムさん」などという衝撃的なテロップを放送してしまい、日本の放送事故史に新たなページを刻むことになってしまった東海テレビ。番組は打ち切られ、担当者は懲戒解雇されるなど、大変な結果を招くことになってしまいましたが、なぜかネット上ではテレビ局のキャラクターである「わんだほ」がセシウムさんと呼ばれてとばっちりを受けることになってしまいました。
企業キャラクターはその企業を代表するだけに、一旦何か不祥事が起きてしまうと矢面に立たされこういう目に遭ってしまうんですね。キャラに罪はないのに…。なんだか悲しいです。
→セシウムさん扱い!悲劇のマスコット『わんだほ』のまとめ【東海テレビ】(NAVERまとめ 2011.8.5)
→「ぴーかんテレビ」に関する情報(東海テレビ)
●トーマス、Mr.Men…買われるキャラたち
昨年12月、サンリオが「Mr.Men and Little Miss」のライセンス事業を行っているイギリスの会社を買収したと発表しました。これは、キャラクターを1から育てるよりも、よそから買収した方が短期的に収益の柱を作りやすいという方針によるもののようです。
一方、その少し前にはバービー人形でおなじみのアメリカの大手玩具メーカー、マテル社が「きかんしゃトーマス」や「ボブとはたらくブーブーズ」などのキャラクターを保有するイギリスのヒット・エンターテインメントを買収することを発表しています。
こちらは規模的にキャラクターの買収以上の意味合いもあるのかもしれませんが、ちょっと気になる流れが起こっているのかもしれません。
◇サンリオ、英Mister Men社を買収(2011.12.7)
→「トーマス」「ピングー」、米マテルが会社ごと518億円で買収(MSN産経ニュース 2011.10.25)
→きかんしゃトーマス、買収される~マテル、ヒット・エンターテインメント吸収合併による各所への影響は?(Puff Puff THOMAS!さん)…トーマスファンサイトによる今後の影響等への考察です。
以上、今回は合計18個の話題を選んでみました。もたしていたら2月になっててびっくりです。次こそはもっと早くまとめたいものです。
◇キャラクターで振り返る2011年(前編)(2012.1.30)
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