MEMO

■少し前にTwitterとかで話題になったので知ってるという人もいると思うんですが、先日岡田よしたかさんの「ちくわのわーさん」という絵本を読みました。表紙からしてすごくインパクトがありますが、中身もすごく面白かったです。

ちくわのわーさん

ちくわのわーさんの日常(?)を描いた作品なんですが、「ウザたのしい」とでも言いたくなるような調子のいい性格なんですよね。その言動がいちいち笑えます。ただ、最後にとある食べ物が出てくるんですが、これ絶対小さい頃に読んでたら食べられなくなってただろうな~、って思っちゃいました。だってイヤだもん、こんな裏側見ちゃったら(笑)。

絵本といえば、先月出たやぎたみこさんの新刊、「くらげのりょかん」も読みました。

くらげのりょかん

やぎさんの作品は以前紹介した「ほげちゃん」ではまって、それから過去の作品も遡ってほとんど読みましたが、どれも楽しい作品ばかりでした。この楽しさの源はなんなんでしょうね。「絵本はこうあるべき」みたいな考えに縛られてなくて、思うがままの自由な発想が活かされているからなんでしょうか。
「くらげのりょかん」もすごく自由な作品です。くらげで、旅館で、宇宙人(?)ですからね。
 

あとついでと言ってはなんですが、最近読んだ絵本をもう1冊紹介です。いとうひろしさんの「ムーサンのたび」。これもよかった!

ムーサンのたび

クモのこどものムーサンが主人公。大きくなると、新しく自分の住む場所まで風に乗って飛んでいくというしきたりみたいなものがあるんですが、ムーサンはなかなかここという場所を決められずにいる――というストーリーです。

いとうさんのおはなしって、ならではの表現がありますよね。普遍的な価値観を大切にしているというか。そういうところを、さりげなく見せてくれるところが好きです。この絵本はキャラクターデザインもすごく奇抜なのに、全然違和感がないのがすごいなぁと思いました。

いとうさんの本のことは前に1度、「おさるシリーズ」のことをキャラコラムというコーナーで紹介したことがありましたが、このシリーズの最新刊も7月に発売されてます。

おさるのかわ

「おさるのかわ」。こちらも読みましたが、やっぱりすごく好きです。僕もかえるを流したい。

いとうさんの創作について書かれた書籍とかってあるんでしょうかね。あったら読んでみたいなぁ。ネット上だとミーテというサイトにインタビューが掲載されています。

絵本作家 いとうひろしさん(前編)
絵本作家 いとうひろしさん(後編)

この中で、キャラクターの発想について語られている部分があるので少し引用してみます。
 

僕にいわゆる才能があるのならば、そういうわけのわからないものを、頭の中にずっと飼っておけるっていう部分なんじゃないかな。絵本作家をあと何年続けられるかわからないけれど、今頭の中にいるものだけでも十分やっていけると思ってます。

この前後の部分を読んで、ああもうそういうことなんだと、ちょっと腑に落ちました。意識的にではなくて、無意識レベルでそういうことがやれちゃうってことなんですね。「ムーサンのたび」のムーサンもそうやってずっと頭の中で飼われていたキャラクターの1人だったんだろうなぁ。元々の発想としては、クモの生態みたいなところがモチーフになっているんだろうけど、それが全然借り物っぽくないんですよね。生態とか、そういうところもひっくるめてオリジナルになっているっていう。なんかもう、やっぱりすごいやと思いましたです。
 
 

■さて、年の瀬ですね。今年もというか、今年は特にいろいろありました。津波の動画を改めて見てみたり。何度見ても、現実に日本で、つい数ヶ月前に起こったこととは思えない光景です。

僕も昔、ごく短い期間でしたが、仙台に住んでいたことがあったんですが、改めて当時住んでいたあたりの地図をGoogle Mapで見てみたら、あのNHKで生中継された名取川のあたりから、ほんの数キロしか離れていないんですよね。
当時、どっちの方向にどのくらいの距離行ったところに海があるのかなんて、全然知らずに暮らしていました。

来年はどんな1年になるんでしょうか。つらいこともあるだろうけど、わくわくした気持ちを失わないようにしたいと思いました。

そんな感じで、今年も終わりです。それじゃあ実家に帰ってきます。