衝撃の発言が飛び込んできました。タレントの”ゆうこりん”こと小倉優子さんが、今月19日に開催されたゴルフのイベントに出席した際の囲み取材時に、報道陣から「こりん星にゴルフを教えてくれる人は?」との質問を受けて、こりん星のことを「2009年の年末でやめました」と返答したとのこと! ゆうこりんの「こりん星」にまつわるトークが大好きだった僕としてはショックの一言に尽きます。
せっかくなので「こりん星」とは何か? ということついておさらいしておきますが、これは小倉優子がテレビなどで自分のことを「こりん星」という星からやって来た「りんごももか姫」というお姫様であると自称しつつ発した一連の発言から構築されていった一種の世界観のようなものなんですね。
ところが、10代の頃ならかわいらしい妄想を話す女の子としてアピールポイントの1つにでもなるんでしょうが、20代も半ばになるのに一体いつまで”ももか姫”を続けるのかと事務所的にも問題視されるようになったらしく、3年前の2007年にはゆうこりんがテレビ番組に出演した際に「マネージャーから、そろそろこりん星を爆破したいと言われている」と告白。この時は”爆破”という衝撃的かつメルヘンの世界にそぐわないミスマッチな単語のチョイスが話題となり、そこそこのバリューを持つ芸能ニュースとして報じられたのでした。
しかしその後のゆうこりんは、僕たち視聴者の予想を上回るしたたかな立ち振る舞いをはじめます。なんと、自身がこれまで披露してきたこりん星にまつわる話を半ば自虐的に語ることで笑いへと転化するという荒技をやってのけ、新たに”方向性に行き詰まりを感じているのにやめられないキャラ”というポジションを開拓するに至るのでした。
それ以外にも事務所が始めた「焼肉小倉優子」などの事業により、事業家アイドルとしての顔も持つことになり、なんだかんだで順風満帆に見えたゆうこりんだったのですが、やはり「こりん星」についていちいち突っ込まれるのがめんどくさくなってしまったのか、ここにきて「やめました」発言が出てしまった、というわけです。
今回の発言でちょっと残念だなぁと思うのが、「こりん星」をやめるのはいいとしても、「やめました」という発言は完全な放棄になっちゃってるところなんですよね。対して3年前の爆破発言は、言葉としては物騒なものの、ちゃんとストーリーとして完結させようという姿勢が見られたという点で、今まで作り上げた「こりん星」という世界に対しての思い入れを感じさせてくれるものでした。
ただ、そういった思い入れがあるのかないのかよく分からない感じも、こりん星トークでは魅力の1つだったんですよね。例えば、「こりん星ってどこにあるの?」って尋ねられたときに、千葉県の茂原にあると言ったかと思えば、別の番組では東京の港区にあると答えたりして、かなりいい加減なところが笑いに繋がったりしていました。
こういうところはキャラクターデザイン的に見ても非常によくできていると思っていて、キャラクターの世界観ってガチガチに作っちゃうと独りよがりなものになって、他の人が興味を持ちにくくなってしまうんですね。そこへいくと「こりん星」の場合は突っ込みどころが多いから、いろんな疑問が浮かんでしまって、思わず「それってどういうこと?」って尋ねたくなってしまいます。
僕はキャラクターの世界観って細かく設定を作り込むのではなくて、いかに受け手に想像の余地を残すか、に掛かっていると思っているので、そういった観点から見た「こりん星」ってまさに理想の世界観だったんですよね。
なので本当は、今からでもゆうこりんには「やっぱりこりん星は続けます」って言ってほしいくらいなんだけど、ダメなのかなぁ。いい歳して自分のことを悪魔とか言って顔を白くしている人だっているんだから、こりん星くらいいいじゃん! って思うんだけどな~。
→小倉優子、突然の“こりん星”終結宣言! 今後は等身大の自分で勝負(ORICON 2010.2.19)
→ついに!小倉優子、「こりん星やめました」(時事ドットコム 2010.2.19)
→小倉優子のこりん星のお食事って?(公式ブログ)
→小倉優子ファンサイト ももか姫の☆星(ファンサイト)…こりん星についての詳細はこちらの「こりん星とは」が詳しいです。
→[本]小倉優子photo & story book―りんごももか姫(amazon)…この写真集にりんごももか姫のストーリーが載っているらしいです。どんなんだろ。