[本]キティの涙
今月2冊目のキティちゃん関連本紹介。キティちゃんの本ってたくさん出ているので、いちいち取り上げていたらキリがないのですが、この本はちょっと特殊です。キティちゃんではなくてデザイナーの山口裕子さんにスポットを当てたはじめての本ですから。こういう本を待ってましたよ。
[本]キティの涙(amazon)
集英社 2009.10.26発売 1200円
ISBN:978-4-08-780544-4
この本、なぜか著者名が記載されていなくて、集英社サイトの紹介ページでは構成として森綾さんというフリーライターの方の名前が出ているだけなんですが、中の文章は山口さん目線の言葉で綴られているので、山口さんが実質の著者と思って間違いのない内容になっています(サンリオって絵本とかでも作者としてデザイナーの名前をあまり出さないよね。なんでだろ)。
また、内容について上の紹介ページには、「ハローキティデザイナー山口裕子さんが、キティを世界のトップ”かわいい”キャラクターに育てた裏話を、初めて語る。」と書かれているんですが、実際には裏話と言うよりももっと多岐に渡っているというか、山口さんの半生を語った自伝的な内容になっているんですね。幼い頃の話から、学生時代、そしてサンリオに入社してからの話といった、これまで山口さんが歩んできた生き方を通して、キティをここまでの存在に育て上げるに至った理由が見えてくる構成になっています。
この本を読んで思ったのは、「山口さん、バイタリティに溢れすぎ!」って言う驚きに尽きます。中学・高校進学時に、親が希望する私立の学校の試験を受けるんだけど、自分の進みたい道じゃないと思い白紙で出したとか、会社に入ってからも、性別で仕事の評価が違うと聞くとそれを是正するべく動いたり。エピソードの1つ1つに意志の強さを感じます。自分が納得するまで動かずにはいられない人なんですね。
そういう性格がキティのデザイナーに抜擢されてからも活かされていて、当初は乗り気でもなかったはずなのに、休日返上して各地でサイン会を開いて直接ファンの意見を聞き、大胆なデザインを取り入れ、”キティはみんなと現実に生きていて、みんなが大好きなものはキティも大好き”というコンセプトを掴むに至ります。これも、自分の手で再びキティに人気を取り戻したい、そうじゃなければ納得できないという強い気持ちがあったからなんでしょう。
他にも、入社当時に感じたサンリオ社内の様子として、人気キャラクターのデザイナーは個室が与えられスター女優みたいだったと語っていたり、離婚後も結婚時の姓で仕事をしている理由とか、他ではあまり聞いたことないような話もいろいろ載ってて面白かったです。
読みやすい文章で書かれているので、あまり本読まないという人にもおすすめの1冊です。
→山口裕子inワンダーランド(公式サイト)
→『キティの涙』刊行記念「ハローキティ」デザイナー 山口裕子さんサイン会…11/21、紀伊國屋書店新宿本店にて開催。
◇[本]HELLO KITTY MEMORIES(2009.10.14)
ディスカッション
コメント一覧
この本知らなかったです。。。
モノゴコロついたときからキティFanの私としては絶対に読みたいですね。
本屋さんに探しに行ってみます。
裕子お姉さん(とFanは呼びますね・笑)は昭和60年(1985)に私が生まれてはじめて自分からサインをお願いした方なんです。
サンリオのイベントで反対する母を珍しく説得して、その場でサイン帳を買ってもらいサインしてもらいました。
今でも宝物です。
それだけに印象も強く、今でも活躍している事を尊敬しています。
余談ですが実はこのサインをいただいた時にハンギョドンの作者さん(イノウエヒサトさん)にもサインをいただき…
ひょんな事からつながりが出来、今度は昨年お会いして娘にサインをいただく事が出来ました。
私が押しつけた物ではないのに、娘が自然に好きになるとは…(多少私の影響もあるでしょうが☆)
キャラクターを産み育てる人達って、夢を大人から子供(親子二代続けてまで)に見せてくれて本当に素晴らしいと思う今日この頃です。
上記コメント読んだら、私が60年生まれみたいですね(笑)
当時私は12・3歳です(;´∀`)
そんなに昔にサインをもらったことがあるんですね。
すごいなぁ~。宝物ですね!
山口さん(っていうか裕子おねえさんか(笑))は
すごい人だなぁというのは、たまに雑誌とかのインタビューを読んで
なんとなく感じてはいたんですが、
この本を読んではっきりしたというか、本当にすごい!
と思いましたです。
幼き日にサインをもらったことがある
ももぷりんさんなら絶対おもしろいと思うはずですので
ぜひ読んでみてくださいね。
イノウエヒサトさんにもサインをもらったことがあるんですね。
イノウエさんはサンリオは辞められてますが
今もフリーで活動をされてますもんね。
親子2代で愛されるキャラクターを手掛けられる人って
本当にすごいと思います。
僕はサインをもらうのが半分趣味みたいになってるところがあるので、
いろんな人にサインを書いてもらいましたが、
サンリオの人にはまだもらったことがないので、
いつかはサイン会に参加したいものです。