TOPICS絵本

子供との遊びから生まれた作品で新境地を開拓したメディアアーティストの岩井俊雄さんが新作絵本を発表しました。現在はYAMAHAと共同で開発した電子楽器「TENORI-ON」のプロモーションで多忙なはずなのに、いつの間に絵本を描き上げていたんだとびっくりしつつ本屋さんで購入してきました。

100かいだてのいえ
[本]100かいだてのいえ/岩井俊雄(amazon)

偕成社 2008.5発売 1260円
ISBN:978-4033315409

岩井俊雄さんの絵本というと、「どっちが?絵本」という親子で遊ぶことをテーマにしたシリーズがありますが、あのシリーズが小さい子供にも手に取りやすいサイズで簡素なモノクロイラストだったのに対して、今回の絵本は大型版でフルカラーの手の込んだイラストになっています。ただそこは岩井さん、単なるふつーの絵本じゃありませんでした。

まず、本屋さんで面出しで飾られているところを見て「えぇ!?」って思ったんですよ。この絵本、帯が付いているんですがこんな感じなのです。

100かいだてのいえ(帯付き)
本の右側に帯が…。この時点でやっと「横じゃなくて縦に開くんだ!」ということに気付いたのでした。でもびっくりしたのは手に取ってから。そのびっくりを察して頂くためにもう1枚画像を用意しました。

100かいだてのいえ(斜め下から)
本の下の部分が閉じられている! なんと、上から下へめくっていく本だったのでした。

100かいだてのいえ(めくったところ)
表紙と1枚目をめくるとこんな感じでタイトルが出てきました。なんでこんなことになっているかというと、そこはタイトルにあるように、おはなしの舞台が100階建ての家だからなんですね。家が断面図のように描かれていて、どんどんめくっていくことで上っていく感覚が表現されているというわけなんです。

丁寧に描き込まれた各フロアにはいろんな動物たちが暮らしています。岩井さんの動物イラストって前からかわいいなぁと思っていたので、そういうところも堪能できる遊び心の詰まった絵本でした。

いわいさんちWeb(公式サイト)
100かいだてのいえ(偕成社の紹介ページ)

[本]いわいさんちのリベットくん(キット付き)/岩井俊雄(2007.7.16)

TOPICS絵本

colobockleこと立本倫子さんの新作絵本が発売されていましたので紹介です。

5つごモンスターがやってきた!
[本]5つごモンスターがやってきた!/たちもとみちこ(amazon)

イースト・プレス 2008.5発売 1260円
ISBN:978-4872579222

5つ子のかわいくやんちゃなモンスターたちのおはなしが、いつもの独特なテクスチャ感のあるイラストで繰り広げられています。キャラクターが何かの動物とかではなくて、モンスターっていうところが立本さんのキャラクターデザインにあってるというか、制約のないところから生まれた自由な感じがしていいなと思いましたです。

そして、この絵本で気になったのが出版社なんですね。イースト・プレスって、いわゆるサブカルチャー系の書籍を出版している会社のイメージがあったので絵本を出したというのが意外でした。と思ったら、イースト・プレスでは「こどもプレス」という児童書シリーズを立ち上げたそうで、今回の本がその第1弾とのことなんですね。

最初は、長崎出版のカブレーベルのようなひねった絵本を出すシリーズのかなと思ったんですが、そうではなくて純然たる子供向けのシリーズになるそうです。今後のリリース予定として、「なっとうぼうや」(amazon)「うめぼしくん」(amazon)(ともに学習研究社刊)などの著作で知られるわたなべあやさんや、「こどもプレス」のシンボルマークも手掛けている荒井良二さん、それからスズキコージさんなどの絵本が登場する予定とか。とりあえずイースト・プレスさんにはせっかくなので専用サイトを作ってほしいです。チェックしますので。

colobockle(公式サイト)
イースト・プレス
5つごモンスターがやってきた!(amazon)

[雑誌]イラストレーションNo.162、特集 立本倫子 colobockle(2006.9.29)

TOPICS絵本

100%ORANGEのお2人による新作絵本が発売されました。

まるさんかくぞう
[本]まるさんかくぞう/及川賢治、竹内繭子(amazon)

文溪堂 2008.5発売 903円
ISBN:978-4894235878

この本は今まで100%ORANGEが手掛けた絵本よりも対象年齢が低く、おそらく赤ちゃん向けなのかな? ものすごくシンプルな作品なんだけど、だからこそごまかしがきかないと言いますか、100%ORANGEのデザインセンスがいかんなく発揮された一作となっています。

中身も表紙同じような感じの絵と文が繰り広げられているんですね。これがすごくテンポがよくて、あの、昔やってた「ダウンタウンのごっつええ感じ」で放送されたコントで、電車のリズムに合わせて「オトンオジン、オカンオトン」とかって言い続けるやつを思い出してしまいました。

100%OANGE(公式サイト)
まるさんかくぞう(文溪堂の紹介ページ)
まるさんかくぞう(amazon)

[本]Pooka+ 100%ORANGE A to Z(2008.2.21)

MEMO

■今日は久しぶりにTOPICSを3つも同時に更新してみました。しかも絵本の紹介ばっかりです。絵本は楽しいな~。100%ORANGEの絵本は先日のヘッドラインでも紹介していたのですが、読んだら面白かったので大きく扱ってみました。

100%ORANGEの絵本というと、2006年に出版された「ねこのセーター」「グリンピースのいえ」という作品がずっと未読だったのですが、図書館で借りてきてやっと読みました。どちらも個性的な主人公の話でおもしろかったです。でもこの2作もそうですが、100%ORANGEの作品ってキャラクターとして必要以上に立ってしまわないようにかなり気を遣って描かれているような印象を受けます。なのでそれをキャラクターのサイトと銘打ってる僕のサイトで何度も取り上げるのは申し訳ないような気持ちになってしまいます。とは言っても何の影響もないようなサイトなので「まあいいか」と思って取り上げるんですけれども。

あと100%ORANGE関連の更新予定としては、3月にあった個展と、去年発売されたアニメーションDVDに関するトークイベント、それから何年も前にあった祖父江慎さんとのトークイベントに行ってきた件を1つにまとめたエントリーを書こうと思ってるんですが、今のところ手つかずです。ははは。