TOPICSイベント,レポート

やっとこさメディア芸術祭に行ってきた時の話の続きをお送りします(前回はこちら)。前回はアート部門とエンターテインメント部門についてでしたので、今回は残りのアニメーション部門、マンガ部門についてとなります。
 
 
まずはアニメーション部門。大賞作品となったのは原恵一監督の「河童のクゥと夏休み」。でもこの作品はまだ見ていないんですよね。気になる作品ではありますので、また今度DVDでもレンタルして見てみたいと思います。

そして優秀賞を「うっかりペネロペ」が受賞。原作のイメージをあそこまで忠実にアニメーションにしてしまうとは、素晴らしい技術ですよね~。とか言いつつも実はこの作品もほとんど見たことなかったり。昔はあんなにペネロペ好きだったのに~。これもDVDレンタルしないとなー。

同じく優秀賞の「電脳コイル」も文句なしの受賞でしょう。こちらは昨年超はまりまくりでしたよ。1話完結じゃなくて、ストーリーものになっているテレビアニメを見たのなんて本気で久しぶりでした。たぶん「ドラゴンボール」以来くらいですよ。僕もアニメでこんなに熱くなれるんだと再発見させてもらいました。ちなみに今回のメディア芸術祭のポスターの中には、いろんな作品の写真がちりばめられているものがあるんだけど、その中で「電脳コイル」の”顔のヒゲ同士が核戦争をおっぱじめるシーン”が選ばれてて笑いました。選んだ人、わかってるなー。

そしてこれも同じく優秀賞の「カフカ 田舎医者」。僕の好きなアニメーション作家、山村浩二さんの最新作ということで、今回会場で見たんですが、これがね、全然わからなかった! 最初から最後まで、びっくりするくらい。隣のシアターの音がうるさくて聞きづらかったからというのもあったのかもしれないけど、少なくとも「頭山」や前作の「年をとった鰐」のようなわかりやすい作品ではなかったです。それかやっぱりお金払って見てないから頭が真剣モードにならなかったのかも。

奨励賞に選ばれていた「ウシニチ」という作品も素晴らしかったです。なにやらかわいらしい感じの作品なんですが、この世界観は出そうと思って出せる次元じゃないと思いましたです。ただシュールと言うだけでは足りない魅力がありました。この魅力についてもうちょっと考えてみたいと思わせられる作品でした。
 
 
そして最後のマンガ部門の大賞は郷田マモラさんの「モリのアサガオ」という死刑を題材にした作品でした。この作品は未読でしたけど、読んだことのあるものとしては武富健治さんの「鈴木先生」が優秀賞に、石川雅之さんの「もやしもん」と、イケダケイさんの「全力ウサギ」が審査委員会推薦作品として選ばれていました。「全力ウサギ」は4コマ漫画ですが、キャラクターブック的なニュアンスも強い作品なので、数ある漫画作品の中からこういった賞に選ばれているのを見ると嬉しい気もします。
 
あと、今回から会場が変わったので、今まであった漫画を読めるスペースなくなってるのでは…? と、ちょっと不安だったのですが、ちゃんとありました。昨年はここであずまきよひこさんの「よつばと!」を黙々と読んだわけなんですが、今回は桜玉吉さんの「御緩漫玉日記」を読みました。玉吉さんの作品で描かれている世界って独特ですよね。鬱を通り超えた先にある笑いの彼岸とでも言うような世界。いつかは買い揃えたい作品です。
 
 
そんな感じで展示も見終わったわけですが、1つ大事なことを忘れていましたよ。この美術館、地下鉄乃木坂駅と直結しておりまして、そっちから入ってしまうと建物の外観を見ずに中に入ってしまう構造になっているんですね。このまま帰るわけにはいかないということで、すっかり外は真っ暗になっていましたが、出る時は正面にまわって、外観を眺めてから帰りました。中も吹き抜けがすごかったけど、外から見ても迫力ありますね。「黒川先生、あんたはすごいよ…」と思いながら帰途についたのでした。

国立新美術館外観

第11回文化庁メディア芸術祭(公式サイト)

TOPICSBOOK

久しぶりに本屋さんに行ったらこんな本が出ていたので買っちゃいましたよ。

Pooka+ 100%ORANGE
[本]Pooka+ 100%ORANGE A to Z(amazon)

学習研究社 2008.1発売 1470円
ISBN:978-4054036130

なんと「Pooka」ですよー。絵本雑誌として2002年に創刊され、最終号が2006年の夏に出てから、しばらく音沙汰がなかったんですよね。あれから1年半、「Pooka+」というタイトルになって帰ってきたというわけです。

タイトル変更とともに内容も変化していて、1組のクリエイターを1冊まるごと使ってフィーチャーした内容になっています。雑誌というよりでっかい単行本といった感じですね。

創刊号はもちろんというか、ずっとPookaの表紙を担当してきたイラストレーターの100%ORANGEです。最近リリースしたアニメーション作品についてや、本の装画、絵本、ポストカードや、アトリエ風景やラフスケッチの中身まで、カタログ的に見られるようになっています。トムズボックスの土井章史さんとのトークイベントの内容も2ページ載っていますが、強いて言うなら文字情報ももうちょっとがっつり欲しかったかも。ともかくファンなら買って損はない内容です。

「Pooka+」2号目は絵本作家の酒井駒子さんを予定していて、春刊行予定とのことです。その後も続刊予定とのことなので今後も期待です。

[DVD]100%ORANGE ホームメイド・アニメーションズ(amazon)…こちらは昨年11/21に発売された100%ORANGE初のアニメーション作品集。実は発売記念のトークイベントにも行ってきたので、また時間があればレポート書きたいです。ただ、更にその1年前くらいに開催された祖父江慎さんとの「よりみちパン!セ」トークイベントのレポートも書いていなかったり。どんどん溜まっていく一方です。

100%ORANGE(公式サイト)
Pooka(公式サイト)
トムズボックス…吉祥寺にある絵本のお店。今年も3/1-31まで100%ORANGEの個展が開催されます。

100%ORANGEの展覧会(2007.4.9)…これは昨年の展覧会の話。
[本]よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし/及川賢治、竹内繭子(2007.4.16)

MEMO

■そういえば、メディア芸術祭レポートのその2をまだUPしていませんでした…。そのうちUPしますです。あとそういえば、去年の後半以降に発売されたキャラクター絵本についてのまとめもほったらかし状態だった。

そんな感じで、やろうと思っていることはどんどんたまっていくのですが、それはそれと置いといて、ちょっと違うことも平行してやりたいような気もするんですよね。別のサイトをもう一つ作るとかじゃなくて、もっとへんちくりんなことをやりたい気がします。まあそんな時間ないんだけれど。
 
 
■2ちゃんねるブラウザをJane ViewからJane Styleに変えてみました。が、やっぱりそんなに変わらないですね。

2ちゃんねると言えば、1、2年くらい前に「マスコットキャラクター板」というのが新設されていて、あとでゆっくり見てみようと思っているのですが、まだちゃんと見ていないのでした。ただ、それほど盛り上がってる感はなさそうです。やっぱり、キャラクターってカテゴリとして成立させるのが難しいんですよね。意味が広いし、曖昧だしで。
 
 
「恋人にしたいアーティスト」ランキング2008発表…CDTV(痛いニュースさん)

まだやってたんだ、この企画。それにしてもなかなか趣のあるランキングですね。注目は男性アーティスト編の19位に嵐の相葉くんがランクインしているところです。嵐では大野くんを押さえて4位、ジャニーズの中でも11番目ですよ。人気者じゃないですか。影ながら相葉くんを応援している者としては嬉しい限りです。
 
 
■最近の気になることと言えば、東芝のHD DVD撤退のニュースは気になりました。こんなに早く決着がつくとは思わなかったので。それにしても、プレーヤー買った人はどうなるんだろ。このまま過去の規格になったら、近年希に見る大損になっちゃいますね。

僕は東芝製のハードディスクレコーダーを使っているので、あと何年かしてもし買い換えることがあったらまた東芝にしようと思っているんですよね。その頃にはどんなラインナップになっているのか、ちょっと気になるのでした。

TOPICSグッズ

「トマトさん」という絵本があるのですが、そのぬいぐるみなどのグッズが今月25日にサン・アローというメーカーから発売されるようです。

「トマトさん」については、2~3年前に1度触れたことがあるはず…と思って確認してみたところ、なんと6年も前の話でした(2002.7.5のところ)。最近こんなんばっかですよ。

そんなわけで、6年前の自分も衝撃を受けているのが、見た目のインパクトなんですよね。この文章を読んでる時点で既に目に入ってしまっているとは思われますが、まずはamazonから絵本の表紙画像を引っ張っておきましょう。

トマトさん
[本]トマトさん/田中清代(amazon)

福音館書店 2006.7.5発売
ISBN:978-4834022131

見よ! ここまで人間くさい顔をしたトマトが、かつていたでしょうか(笑)。そんなド迫力のトマトさんのグッズが出るというからには見逃せません。ただ、発売元のサン・アローのサイトには情報はまだなくて、amazonによると以下の3点のグッズが予約中となっておりました。

トマトさん ぬいぐるみ S(amazon)
トマトさん クッション(amazon)
トマトさん お手玉(amazon)

ぬいぐるみやクッションはいいとして、お手玉というちょっとレアなラインナップがいいですね。宙を舞うトマトさんを想像するだけで楽しいです。ただ、amazonにも画像がまだないのが残念なところ。どんなことになっているのか、早く見てみたいです。

ちなにみ、見た目のことばかり書いていますが、絵本もすごく面白い作品ですので、ぜひ機会があったら手にとって頂きたい一作です。

田中清代ウェブサイト…作者のサイト。

HEADLINE

「ひこにゃん」にチョコ43個、昨年ゼロが「なぜにゃん」…チョコは好きなのかな。
ひこにゃんの商標登録完了 期間10年先まで
ひこにゃんが知事に受賞報告 関西元気文化圏賞
ひこにゃんに続け 新キャラ、忍びの「ひこちゅう」参上…あまりひこにゃんに絡ませすぎるとまた問題にならないかと勝手に心配。

最高はスティッチ像の105万円…TDLオークション…最高額の100万円でスティッチ像を落札した方は大学2年生。嬉しそうです。
伊藤園、リラックマをデザインした「天然水割り果汁」シリーズを2/25に発売…パッケージにリラックマ。おまけグッズがつく予定はないのかな。
モモの風味のチロルチョコ発売 慶大生サポーターとバレンタインにPR…久しぶりに見た気がするPostPetのモモ妹。
表参道に人気キャラクター「トゥイーティー」期間限定ショップ…2/6オープンで17日まで。
ウィズ、自社キャラクター使ったおもちゃ…「プープーキッズ」という名前のキャラ。テレビ東京系で放送されている「ファイテンション☆スクール」の中でアニメも放送されているみたいです。
人気キャラクター、アジアの民族衣装で…USJ…日本にあるアメリカ映画のテーマパークでチャイナ服着たキャラクターがお出迎え、という混沌っぷりがUSJのいいところ。
ローズオニールキューピーが大変身!?
ソフトバンクモバイルの“お父さん"グッズが当たるキャンペーン
「かわいい」文化生みの親 内藤ルネの作品展 京都…ここでは取り上げ漏れたけど昨年10月にお亡くなりになったんですよね。残念です。
ジブリ美術館できょうから 「パンダコパンダ」展

「フォクすけ」の力でユーザー層を広げたい――Firefoxがキャンペーン…フォクすけはかわいいけど、やっぱりSleipnirの方が好きなのです。
まりもっこり、不気味にCDデビュー
「まりもっこり」全国デビュー 08年のNHK紅白に出場??…いや、紅白はないから。
日ハムのBB君とクーちやん、室蘭の幼稚園に…なんでこの2組? 控え室で話したりするのかな?

ソニー・クリエイティブプロダクツ新商品発表会レポート
「セキグチ&サン・アロー新商品発表会」レポート…トマトさんの件はここで知りました。
子ども関連ビジネス、キャラ商品や広告はんらん…ホストセリングなんて言葉初めて聞いたな。個人的には、子供をターゲットにした広告が発達に悪影響を及ぼすなんてことないと思うけどなぁ。過保護すぎる気がします。逆に。
ウルトラマン著作権侵害訴訟、円谷プロがタイ最高裁で全面勝訴…勝訴するとは思いませんでした。よかったね。

ご当地限定「ハローキティ」グッズ専門店、横浜中華街に
オンラインゲーム:キティちゃんの仮想空間 試験公開…香港にて。
にゃんと「キティちゃん」? 京丹波 ジャガイモ輪切りで

栃木県のピッピとピコ、知名度向上に物語公募…物語を公募するとは珍しいですね。しかもキャラクターはスタジオジブリ制作です。
「鹿男」? いいえ平城遷都1300年祭マスコットです…このキャラで「ひこにゃん」や「はばたん」のように成功するのは至難の業だと思うんですが…。みうらじゅんだけをターゲットにしたのなら納得するけども。
「ポン太君」印のきりたんぽ – 秋田…製造ミスっぽく見えるような。

TOPICSイベント,レポート

今年もこの時期がやってきた! というわけで2/6~17まで開催されている「第11回文化庁メディア芸術祭」に行ってきましたよ。

このイベント、これまで恵比寿にある東京都写真美術館で行われていたんですが、今年からは国立新美術館に場所を移しての開催となっているんですね。国立新美術館と言えば昨年大活躍の上にお亡くなりになってしまった黒川紀章さんが設計した特徴的な外観を持つ建造物としてもおなじみです。前から1度見てみたかったので、そこにも期待しつつ行ってきたのでした。

ではさっそく見てきた作品の感想を書いていきますが、まずはアート部門。大賞を取った「nijuman no borei」は原爆ドームを写した膨大な写真を使った作品です。建設中当時のものから現在のものまで、あらゆる角度から撮影された写真がドームの位置を固定した状態で時系列に重ねられていく圧巻の映像作品でした。ただ、サイトの説明文を読んでイメージしたそのまんまの内容だったので、その点はちょっと押しが弱く感じました。優秀賞になっていた佐藤雅彦+ユーフラテスの作品もすごいと思ったけど、想像通りの印象。そんな中、奨励賞に選ばれていたドイツ在住の台湾人の方の作品「Super Smile」は面白かった。これもイメージ通りの作品といえばそうなんだけど、普通に部屋の中で暮らしているだけの映像が、被撮影者が常に笑顔でカメラ目線の状態になるというだけでここまで異様で笑えるものになるとは予想外でした。

続いてエンターテインメント部門。大賞は任天堂のゲームソフト、「Wii Sports」が受賞。まあ、これは受賞しなければ嘘でしょ、という話ではありますが。
この部門では審査委員会推薦作品に目を引くものが多かったです。噂では聞いていましたが、今の時代になぜか1からファミコン用ソフトを手作りしてしまった「ミスタースプラッシュ!」という作品。プレイヤブル展示されていましたが、本当にファミコンゲームでした。この情熱はすごいね。
あとはソフトクリームのキャラクターが潰れつづけるだけという短編アニメーション、「ソフトさんの悲劇」。この作品がアニメーション部門ではなくエンターテインメント部門として分類されていると言うことは、アニメーションというより「ソフトさん」というキャラクターが作品としての評価対象となっているということなんでしょうね。キャラクターサイトの管理人としては今後に期待できそうな流れですよ。うん。ソフトさんの作品自体はきちんと作られた完成度の高い作品で、「きっと頭のいい人が作ったんだろーなー」っていう印象を受けました。ただ、僕的には「これ作った人狂っとるな」くらいに思わせて欲しかったような気もしたんたけど、そのへんは好みの問題かな。
あと「サウンドキャンディ」という作品もちょっと気になったけど調整中でした。残念。

そしてアニメーション部門、マンガ部門へと続いていくんですが、書いているうちにやたら長くなってしまいましたので、ひとまず今日のところはこのへんで一区切りにしておきます。ではお休みなさい。