ファミ通誌上のインタビュー。これは2回目かな。みんなノリノリです。
インタビュアーは”永田ソフト”こと風のように永田(永田泰大)さん。
受けるは”電脳部長”で今は社長の岩田聡さんと、
おなじみ”ダーリン”こと糸井重里さんです。
スペシャル『MOTHER3』講座
教えて!! 糸井&岩田先生
風永インタビューふたたび
風のように永田(以下風永) 犬や子供に糸井重里のインタビューが任せられるか!! そんなわけで、朝7時の新幹線に乗って京都までやって来たぜ。おっはよー!!
糸井、岩田 おはよ~。
風永 今日は40分しかインタビューできないらしいからガンガン行きますよ。まずは恒例の質問から。本当に今年中に出るのか!?
糸井 (笑)。まったくいつもいつも……。今日は現場監督がいるからな。さ、バシッと答えてやれ!
岩田 今年中に出したいですね。
風永 またそれかい!
糸井 出ることを希望します!!
風永 大丈夫かなあ。
糸井 岩田がいますよ、岩田が! なんせ『2』は、岩田が入ったら、とたんにできたからね。
風永 なるほど、それは心強い!
糸井 だろ? そこで読者は思うわけだ。「なんだよ、岩田が作ったのか」って(爆笑)。
風永 え~、今回キャラクターの名前なんかが公開されましたが。
糸井 俺がつけた。
風永 そりゃそうだろ。
糸井 いいだろ? この村のこいつが……ん? 誰だこいつ!?
風永 (爆笑)おいおい!
糸井 こんなの見たことないぞ!!
岩田 いや、見てますよ。これはまえ見せたのを加工してあるから。
糸井 あ、そうか。でもさぁ……こういう路線かよぉ!!
一同 (爆笑)
風永 え~、主人公は、この少年と考えていいんですか?
岩田 主人公、前作の倍いるんですよ。『3』は、基本的には章だてになってますから。オムニバスじゃないですよ。だけど章だてになってて、章によって主人公が違う。
糸井 あ、言っちゃった。これで楽になったよ。いままでずっと黙ってたから(笑)。
風永 ってことは8人?
岩田 8人以上いますね。
糸井 知らないほうが楽しいのに。
風永 いや、ホントにそうなんですよ!! 好きなゲームの取材するのって、ある意味すごくツラい。
糸井 そうだよなぁー。
風永 ホントなら、「いつ出るんですか?」とだけ聞いて帰りたい。
岩田 それじゃあ怒られますよね。
風永 そんなわけでさらに聞きます。64DDに対する手応えは?
糸井 ちくしょう、うめーな。
岩田 う~ん、やっぱ書き替えできるってことですね。『3』を作るにあたって、日本中で同じような冒険を同じようにやるっていうのは、もうやめたいってのがあって。
風永 それは、単純にマルチシナリオにするとかでなく?
糸井 とんでもない!! 大キライです、マルチシナリオって。作り手の権利と義務を放棄してますよ。
岩田 うん、だから、自分がその世界に残したものをなるべくちゃんと残しとくようなゲームにしたいんですよね。たとえば、なんか捨てたり置いたりするじゃないですか。何かに傷つけたりするじゃないですか。そういうことが残る。
糸井 部屋散らかして旅行に行ったら、帰ってきたとき部屋散らかったままなんだよな。
岩田 ええ、そういうことなんですよ。そうすると書き込めるDDってハードはピッタリなんです。
風永 なるほど。それでは、糸井さんがうわごとのように「スゴイ、スゴイ」とだけ言ってる、戦闘は?
糸井 失礼な(笑)。内容も言いたいんだけど、まだ言えないんだよ。
岩田 実験中なんですよ。ん~と、たとえば『2』って、マップ中にモンスターが見えているじゃないですか。で、見えてるモンスターに触れると戦闘になる。それをまず発展させたいですね。ひと言で言うと、マップ上でモンスターとちゃんと駆け引きしたい。戦闘が義務になるようなものじゃなく、楽しくなるようなものにしたい。
糸井 「戦闘ないかなぁ~!」っていうようなやつね(笑)。
岩田 いろいろ実験してるんです。
風永 たとえば? たとえば?
糸井 粘るね~。
風永 なんせ朝6時起きですから。
糸井 俺もそうなんだよ。でさ、今日目覚まし鳴らなくてさ……。
風永 いや、あの……。
岩田 で、何時に起きたんです?
糸井 実際に、パジャマを脱いだのが、7時15分で……。
風永 それはさておき、戦闘のことですが…。
糸井 でね、新幹線の席が17のAってとこだったのね。
風永 うんうん……でもほら、あと15分ぐらいしかないし……。
糸井 で、弁当買おうかなーと思ったんですけどね。とりあえず、サンドイッチ買って。
本郷(任天堂広報) へ、サンドイッチ食べたんスか。
風永 本郷さん、突っ込まないで。
本郷 いや、ちゃんと弁当用意してるから、つい……。
糸井 そういや本郷さんの歌う長渕剛って知ってる?
風永 アッタマきた、畜生!!
岩田 ひとつぐらい言いましょう。音を戦闘に使おうかと思ってます。
風永 岩田さんはやさしいなあ。
糸井 まあ、言っちゃえば単純なんだけどさ。コントローラーのボタン押せば、音出るじゃないですか、「ピッ」とか。で、いろんな音を出せるようにうまく作っていくとコントローラーって楽器になるんだよ、十分。で、その楽器を、『3』に入れちゃう。
風永 ほほぉ!
糸井 で、その楽器をうまく演奏できると戦闘が有利になるとかね。
風永 楽しそう! なんだ、ちゃんとやってるんだ。見直した!
糸井 いや、でもホント変わるかもしれないよ。実験中だから。土壇場で遊びながらイジるから、俺。
岩田 いや、でも、ある程度できて遊べるようになってからが、糸井さんの本領発揮なんですよ。
風永 つまり遊べるようになってからじゃないと発揮しないと(笑)。
岩田 そう。仕様書なんか渡しても、何にも(爆笑)。言い過ぎか。
風永 わ、もう時間ねーな。じゃ、ファミ通だけにしか教えないネタをなんか言ってもらえませんか?
糸井 へぇ~、ファミ通って少年ジャ○プみたいなことするんだ?
風永 アッタマきた、畜生(笑)!!
糸井 ……よし、教えよう! このワニは、怒ると立つ!
風永 それは、資料に書いてある。
一同 (爆笑)
風永 わ、もう時間がない! ええと、なんか、シメの言葉を!
糸井 みなさ~ん、いいお正月を過ごしましたかぁ~。
風永 シメになってない!!
●週刊ファミ通1997年1月31日号(アスキー)より
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