「マリオ」は知っているけど「ルイージ」なんて聞いたこともない、なんていう人もひょっとして多いのかもしれないので説明しますと、ルイージはマリオの色違いキャラとして誕生したキャラクターです。マリオは赤で、ルイージは緑。もともと、２人でゲームをする場合にのみ用いられるキャラなのです。

そんな影武者同然の出生は、その後ルイージが歩む”ゲームキャラクター人生”においても、まるで呪縛のようにまとわりつくのです。

基本的にルイージには派手な活躍の場が与えられません。

あるゲームの時にはマリオよりも高いジャンプ力を身につけたりもしたのですが、後にそれも元に戻ってしまったり、「マリオ」と名のつくゲームでもルイージは登場しないと言ったこともしばしばです。

ゲームでは目立った活動のないそんなルイージですが、ここ数年、彼の”ファン”と名乗る人たちがにわかに増えてきているのです。しかもその人たちは、ルイージに対して「マリオの人気にやきもちを焼き、密かにたくらみを抱えた男」といったキャラクターイメージを持っている場合が多いのです。

これはどういうことか。僕は独自の調査をした結果、ひとつの要因を突き止めました。

それが下の画像なのですが、これは漫画家の吉田戦車がかつて某ゲーム雑誌で連載していた「はまり道」という作品のひとコマです。

この作品はいろんなゲームを題材にした４コマ漫画なのですが、マリオとルイージに限っては準レギュラーのように登場します。しかも吉田作品特有の屈折した性格付けをされて…。

おそらく、この屈折した性格が、これまで地味でしかなかったルイージにスポットを当てることとなったのでしょう。そしてユーザーの間で、漫画の性格のまま一人歩きしてしまったようなのです（マリオは決してそんなことないのもミソ）。

さらにその一人歩きは、ファンの間だけにはとどまらなかったのです。

ルイージを語る上で最も重要なゲームといえば、昨年発売された「マリオストーリー」です。このゲームにははじめてルイージにセリフが用意されています（といってもルイージに与えられた役はプレイヤーの操作できない脇役なのがなんともルイージ）。

このルイージは、基本的にはかなりかわいいキャラ設定だったのですが、マリオを「にいさん」と呼んだり、マリオに隠れて秘密の日記をつけていたりと、どことなく吉田テイストを彷彿とさせるものでした。しかもその日記には、自分の名前がタイトルになっているゲームへの夢など、衝撃の告白の数々が綴られていたのです！

それは一漫画家の妄想が生み出した設定がファンへの広がりを通して、遂には本物のキャラ設定にも影響を及ぼすに至った瞬間でもあり、また、ルイージの大胆な野望が公然となった瞬間でもありました。

またその日記の中で、ルイージのおばけ嫌いも発覚するのですが、それがルイージからの予告だったとも思えるような出来事が間髪入れずに起こるのです。

「マリオストーリー」の発売から１０日後にその事件は起こりました。その日、任天堂は「ゲームキューブ」という新しいゲーム機を発表したのですが、その時に用意されたデモムービーにルイージが主役と思しきゲームのムービーがあったのです！

ルイージがおばけ屋敷を探検するそのムービー。「実際に発売するかどうかは未定」とのことでしたが、ファンの間でそのゲームの開発が信じられてきたことは言うまでもありません。

そして来る５月１７日（つまり明日！）、任天堂は世界最大のゲームイベント「Ｅ３」にて、ゲームキューブ用のタイトルを大々的に発表すると言われています。
その中にあのルイージのゲームはあるのか！？ それともやっぱりなくて、ルイージはいつまでもルイージのままなのか！？ そのことが気になるあまり、こんなコラムまで作成してしまった僕は一体なんなのか(^^;)。

ルイージの下剋上伝説、果たしてその真実の行方はいかに。

任天堂ＨＰ…「マリオストーリー」紹介ページ内に「ルイージが語るマリオ冒険日記」というコーナーがあります。キャラクター紹介のページでは「ひどいや兄さん」としゃべるルイージの姿が！

ルイージ一点豪華主義…ルイージファン必見のルイージファンサイトです。すばらしいほどに緑です。ルイージの出演作品を網羅した「ルイージのスペシャリスト」のコーナーは資料的にも価値が高いです。

★テレビゲーム★
「ルイージマンション」…というわけで、見事主役を張ることができました！ 最初にして最後！？の作品です(^^)。まだ買ってない人はゲームキューブと一緒に買いましょう。（公式サイトはこちら）
「マリオサンシャイン」…対するマリオの主演作は2002/7/19発売予定です。amazonで早くも予約受付中につきリンクしておきます。あらすじも載ってます。

★書籍★
「はまり道」…吉田戦車著、1994/4発売。今回の話のメインとなっている漫画。どうも絶版らしいです。しょうがないので続編の「ゴッドボンボン」、「ニューはまり道」を読むことにしましょう（ルイージは出てきてないかもしれないけど）。吉田戦車を読んだことない人は「伝染るんです。」もオススメですので読んでみてね。