52.すしあざらしの本当のひみつ 2000.11.7


あざらしにすしが乗っているというとっても不思議な、絵本生まれのキャラクター「すしあざらし」。その文字情報の少なさのひみつと「キャラクター設定」について、書いてみました。


3度目のすしあざらし

実はキャラコラムでは、すしあざらしをすでに2度取り上げています。1度目はソニー特集ソニーマガジンズの項で。もうひとつは「言葉合成キャラ」の時で、例えに出しました。

というわけで、今回で3度目のすしあざらしなんだけど、実際は紹介するほどよく知らないんですよね。先日やっとグッズや絵本が販売されてるところを目撃したところなんです。

ただ、どうしても気になることがあって…。それはすしあざらしの文字についての扱い方なんですが、何かひみつがありそうなのです。


メジャー前と後でのすしあざらし

すしあざらしの絵本って、最初は自費出版で出されていたそうなんだけど、その時の本はとにかく文字が使われてなかったそうで、ページの隅に作者名とURLが小さく書かれているくらいだったそうです(しかも当時はHPにも文字がなかったとか)。

今の商業出版された本だって内容部分に文章が追加されている訳じゃないけど、最後のページにいろいろ説明があったりします。ぬいぐるみにも、「エビにいちゃん」とはこんな性格で…、みたいなことがいちいちタグに書かれていました。

そんな感じでメジャー後の方がキャラクターのいろんなことが分かるようになっています。それはたぶん「わかりやすさ」を考えてのことなんでしょうね。メジャーキャラを目指すのならば、個々のキャラの名前もなんだか分からないようではグッズ展開も難しいですしね。

では、最初に何の情報も出さなかった作者って、キャラ展開のことを何一つ考えていないおバカさんだったのでしょうか。そ、そんなことはありませんよね(^^;)。じゃあなぜ、文字がないことにこだわったのでしょうか。


設定がないという「キャラクター設定」

すしあざらしはその見た目にインパクトも不思議さも、見ている方が興味を持つ要素をすべて持っているキャラです。作者もそこには自身があったんでしょう。だからこそ、何の「キャラクター設定」もない状態で発表したのではないでしょうか。

「キャラクター設定」は、キャラクターの魅力の一部だし、見た目と同じくらい重要な要素だと思います。設定はキャラクターのイメージを膨らまし、より個性を持たせたり、世界観を補完する役割だって担います。
ただ、それがつまんない設定だと、作者の独りよがりにつき合わされてるような気がして、キャラクターに対しての興味も失せてしまいます。設定は、重要だけども危うい存在なんですね。

すしあざらしはそんな設定を一切作らず、「キャラ設定がない」という設定(一番つまんなそうなんだけど)により上手くキャラの個性を増幅させたわけです。それがすしあざらしの見た目のインパクトを強調させる(=ますます興味を持たせる)一番の方法だとわかっていたんですね。
見た目のインパクトと不思議さに惹かれ、どんな内容なんだろうと絵本を手に取った読者は、見終わっても何の不思議も解明できなかった事に気づき、ますますキャラクターに関心を寄せてしまうという状態…かな〜。


わかりやすさと個性の反発

そうすると、今の”わかりやすくなった”すしあざらしっていうのはどうなんでしょうか。当初よりも個性が減っちゃってるとは言えなくないですか? まあ、そうは言っても見た目のインパクトが失われたわけではないし、幅広い人に受け入れられるための前進とも言えます。

ただ、すしあざらしなら設定も何もかも不明のままブレイクすることだってできたんじゃないか。すべてを見ている側の想像に任せるような、かつてない個性を持つキャラクターの誕生が見られたかもしれない…。
なんて思ったりもしてしまいます。作者のえだいずみさんはどのように思ってるのでしょう。そのあたりに本当のひみつがあるんじゃないかなぁ。

「無駄な事は考えずに素直にすしあざらしの世界を楽しんでください」なんて言われたりして(^^)。


おまけ・すしあざらし情報

●すしあざらしの公式HP
そこの資料によると、すしあざらしは明治時代に1度目撃例があるだけの幻の生き物だそうです(^^)。あと、英語版のページや(キャラクターの英語名がわかる!)、プレゼントコーナーもあります。


●すしあざらしグッズ販売サイト登場!
すしあざらし ぷらぷら ぷらねっと…まだまだ地方では手に入りにくいグッズがネットで買えちゃいます。これはいいですね〜。ちなみに絵本は公式ページで販売しています。

●絵本発売の明日より、こんなイベントが開催されます。
すしあざらしのヒ・ミ・ツ
Sushiazarashi Coming Out!

会期:11月8日(水)〜12月5日(火) 無休
場所:有楽町阪急 8階ギャラリー/入場無料
時間:10:30〜20:00 最終日は16時閉場

これまでのすしあざらしや作者のことがわかるということなので、近くの方はぜひ行ってみてください。グッズの先行販売などもあるそうです。


おまけ:関連グッズ通販リンク(2002/4/4追加)

★書籍★
『すしあざらし』
2000/1/29発売・1400円・64ページ
記念すべきデビュー作。現在入手不可の自費出版バージョンは手さげ袋に入っていたとか。

『すしあざらし トロパパのヒ・ミ・ツ』
2000/6/20発売・1400円・64ページ
衝撃の第2作。トロパパのヒミツがついに暴露!? なんて言っといて、結局よく分からなかったりするあたりはさすが。

『すしあざらし いたずらタマゴの巻』
2000/11/8発売・1400円・72ページ
ニューキャラ「ミセス・ウーニー」が登場です。

『すしあざらしコミックス』
2001/6発売。おしゃれな4コマになりました。

『すしあざらし占い Magazine House mook』
2001/7発売。すしあざらしで占いまでできてしまうそうです。びっくり。

★パソコンソフト★
ハートフルタイピング すしあざらし 〜打ちゅ。〜…タイピングソフトです。
『すしあざらしデスクトップアクセサリー』

★その他のグッズ(一部)★
トリプルキーホルダー すしあざらし1
トリプルキーホルダー すしあざらし2
トリプルキーホルダー すしあざらし3
すしあざらし貯金箱 3つ子のタマゴ
すしあざらし貯金箱 エビにいちゃん
3つ子のタマゴ ぬいぐるみ L
エビにいちゃん ぬいぐるみ L
イクラママ ぬいぐるみ L
トロパパ ぬいぐるみ L
マウスパッド すしあざらし
エビにいちゃん まくら
3つ子のタマゴ お手玉
ピタコット すしあざらし
ストラップ すしあざらし A
ストラップ すしあざらし B


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