モゾモゾモゾ。
モ。
…。
どうしてだろう、なんだか知らないけれど、
すごく落ち着いた気分です。
今ならわかる気がします。世の中のいろんなことが。
そうだ! なんで今まで気付かなかったんだろう。
あんなことやこんなことに。
そして、本当に大切なこと。
今なら言える!
この世界はバラ色なんだ!
だ!
だ!
だ!
なんか、耳が「キーン」とします。
バラ色
夢から醒めて
なんか、つけられました。
町を歩いていただけなのに
ひょっこりと現れ、そして去っていった誰かに
なにかを頭につけられたぼく。
「えーっと、こういう時ってどうすれば」
なにかを考えようとしても、
どうやってなにを考えていいか
わからなくなるものですね。こういう時って、ね。
そのままぼーっと突っ立ってると、
なんだか町のオブジェになった気がしてきました。
そうだ、ぼくはこのなにかをつけられたことにより、
崇高な芸術作品となったのです。
見る目を持った人じゃないと、
真の価値なんて理解できない存在です。
そう思うと、
目に映る光景がいつもと違って見えてきました。
いい気分です。
カラーン。
5円です。
誰かに5円玉を投げられました。
――ぼくは10円くんなのに。
ぼくの猫
歩いていると、なんだか不思議なモノがついてきたよ。
そのモノたちは鳴いていました。
「ニャー!」
「ワン!」
「ガス!」
ぼくはそのうちの1匹、「ニャー」と鳴くのを抱きかかえると、
家へ帰りました。
(他の2匹はどうにかまきました)
ぼくはその子にミルクをあげました。
その子は
「ニャー」
と鳴きながら、嬉しそうに飲み干しました。
今度はおさかなを食べさせました。
その子はまた
「ニャー」
と鳴きながら、嬉しそうに食べつくしました。
そんな日々が続きました。
でも、その子は相変わらずかたちが定まらず、
ふにゃふにゃしているのでした。
そしていつしか、鳴き声が
「ニャーガッ」
「ニャーガス」
と変わっていき、いつしか、
「ガスッ」
とだけ、鳴くようになりました。
今日、サブローがね
今日ね、サブローがね、にっこり笑ってたよ。
今日ね、サブローがね、花に水をあげてたよ。
今日ね、サブローがね、缶を蹴り損なってたよ。
今日ね、サブローがね、きなこでむせていたよ。
今日ね、サブローがね、手で糊を丸めていたよ。
今日ね、サブローがね、カラスにおびえていたよ。
今日ね、サブローがね、足にご飯粒つけてたよ。
今日ね、サブローがね、雲間から顔を出したよ。
今日ね、サブローがね、スキップしてたよ。
今日ね、サブローがね、にっこり笑ってたよ。
タコチャン号
「タコチャン号」と言います。
運命的な出会いの末に手に入れた
自慢のロケットです。
注)タコではありません
飛ぶときは、なんかこんな感じです。
完全自動運転のスグレモノです。
たまに流星が当たってしまうことも。
そんなときは、こっそり泣いてるみたいです。
着地に失敗しちゃうこともよくあります。
でも、そんなお茶目なタコチャン号が大好きなのです。